日本で一番古いロゴにまつわる話

コラム 2022.09.20

世界に数多ある企業や会社。最も古い会社はどの国にあると思いますか?

 
実は、日本なのです。しかもTOP5独占です!

 
会社の数だけ、その社標であるロゴは存在するわけで、日本最古の会社のロゴはどんなものなのでしょうか?

 
今回は、日本最古=世界最古の会社の話と、日本で最も古いロゴについて探ってみたいと思います。

 
 

 

 

 

世界最古の企業・会社TOP5は日本にある!

 

最も古い会社ランキング

 
日本の場合、創業100年越えの企業(個人企業・各種法人を含む)は、全国で2万1000社ほど(2009年9月30日時点、東京商工リサーチ企業データベースより)あるそうです。

 
創業年代別でみると、明治以降の創業が全体のおよそ8割を占めますが、古くは奈良時代までさかのぼるところもあるとか。

 
早速日本最古=世界最古となる企業ランキングTOP5を見てみましょう。

 

世界最古の企業ランキング
1位 金剛組 (大阪府)578~ (木造建築工事業)
2位 西山温泉慶雲館 (山梨県) 705~ (旅館・ホテル)
3位 千年の湯古まん (兵庫県) 717~ (旅館・ホテル)
4位 善吾楼 (法師旅館・石川県) 718~ (旅館・ホテル)
5位 源田紙業 (京都府) 771~ (※水引事業は、水引元結源田へ引き継ぎ)
via:https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_oldest_companies

 

この後には、例えばドイツのワイナリー・Staffelter Hof (862~)や、パリ造幣局 (864~)などが続きます。

 

 

 

日本最古のロゴはどういうの?

 

家紋がロゴだった!?

 

日本最古=世界最古の会社である大阪府にある金剛組。その歴史を少し見てみると、創業は西暦578年ということですから、飛鳥時代から会社があるということになります。

 

会社のHPによると、「聖徳太子の命を受けて、海のかなた百済の国から三人の工匠が日本に招かれました。この内の一人が、金剛組初代の金剛重光です。工匠たちは、日本最初の官寺である四天王寺の建立に携わりました。」とあります。

 

では、その金剛組の社標であるロゴは? というと、会社のなれそめを見てもなかなか分かりません。唯一、それと思しきものが、大正時代と書かれた写真の暖簾に家紋が描かれているのがわかります。

 
家紋がロゴの代わりだったとするなら、やはり日本の場合、皇室の家紋が最古と考えるべきではないでしょうか。

 
皇室の家紋といえば、パスポートにある十六菊紋を思い浮かべますが、それよりも前は日月紋という家紋が使用されていたと記されています。

 
太陽と月を対にして組み合わせた紋で、日は天照大御神(あまてらすおおみかみ)、月は月読尊(つきよみのみこと)を表し、古来の日本の自然崇拝の象徴ともいえる紋章なのだそうです。

via:http://kakeizudo.com/japanese_crests/nature-crests/jitsugetsu-mon.html

 

 

龍角散は家紋入りパッケージ

 

via:https://www.ryukakusan.co.jp/ryukakusan

 

日本にとっては、家紋が最古のロゴのようなもの、と言えるかもしれません。その証として、現在も創業一族の家紋を企業・会社のシンボルや商品のマークとして使用している会社が存在するからです。

 
例えば、ゴホンといえば! でお馴染みの龍角散

 

龍角散の企業ロゴは別にありますが、主力商品である龍角散のパッケージにはしっかり家紋が残されています。これは、龍角散の生みの親である藤井家の家紋下がり藤」なのだそうです。

 

 

家紋を企業ロゴに採用している三井物産

via:https://www.mitsui.com/jp/ja/company/outline/index.html

 

家紋をそのまま企業ロゴに採用しているのが、三井物産です。

 
丸に井桁三(まるにいげたみつ)」と呼ばれています。

 
三井物産家紋ロゴは、三井家の家祖である三井高利という方が、天和元年(1681)頃に、越後屋の暖簾に使用したのが始まりだそうです。もちろん、現在の企業ロゴは、のちに有名デザイナーが手がけたものですが、日本の家紋=ロゴに結びつく見本と言えますね。

 

 

虎屋のマークは元禄時代から

via:https://www.toraya-group.co.jp/toraya/corporate/

 

家紋ではない企業ロゴで古いものは? となると浮かぶものに、羊羹などの和菓子で有名な虎屋があがりました。虎屋のシンボルマークは1690年(元禄時代)すでに使われていたそうです。

 

虎屋は室町時代(1336年―1573年)後期に京都で創業したと記されています。

 

1695年(元禄8年)には、菓子の意匠を描いた菓子見本帳(今でいうカタログですね)を使ってお得意様から注文を受けていた記録があるそうです。凄いですね。

 

 

 

まとめ

 

いかがでしたでしょうか? 今回は、日本最古=世界最古を誇る日本企業・会社のロゴにまつわる話を紐解いてみました。

 
残念ながらこれが日本最古のロゴだ! と特定することは難しかったのですが、日本には昔から、一眼でどこに属するかを表す家紋がありました。

 
始まりは、平安時代の貴族が自分の家や自分の物に目印として「家固有の紋様」を使用するようになったことと言われています。どうやらここら辺にルーツがあると考えるのが妥当のようです。

 
そして、この家紋の優美さは世界でも一目置かれています。

 
ルイ・ヴィトンの「LVの文字」と「花と星」で埋め尽くされるモノグラムは、日本の家紋をヒントに作られた、という話は有名です。

 
そもそも長寿会社が多い日本ですが、いわゆる企業ロゴ、登録商標が定着したのは、ずっと最近のことで1980年代~90年代にかけてと言われています。

 
欧米の影響を受け、企業の理念や事業体系を見直しブランディングが行われ始めた頃ですね。

 
家紋を企業ロゴに掲げている三井不動産、実は現在のロゴは、有名なデザイナー佐藤可士和さんが家紋をベースに作り上げたそうで、より世界に通用するようにリニューアルされていました。

 
家紋は、古くから継承されていないと使えない?と思われがちですが、そんなことはなく、最近では、わざと家紋風のマークをあしらったロゴを作成する企業もあるそうですよ。

 

 

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