知ると納得!! ピクトグラムとアイコンとロゴの違いについて
アイコン 2022.09.06
私たちの身の回りには、様々なサインやマークが溢れています。
2020東京オリンピックの開会式で一躍よく耳にするようになったピクトグラム。
そして、パソコンのデスクトップやスマホのアプリなどで目にするアイコン。
さらに、品質を保証するマークや企業の屋号・商標などを現したロゴ。
一目で、あ、このマークといえば◯◯! と認識できるものから、世界共通のマーク、はたまた有名デザイナーによる最新ロゴまで多種多様。
ところで、この3種類、似ているようで実は由来や歴史、解釈がそれぞれ違うのです。
今回は、ピクトグラム、アイコン、ロゴ、それぞれの歴史や由来を元にその違いをご紹介したいと思います。
■目次
情報を図式化! ピクトグラム
ピクトグラムの歴史
ピクトグラム(pictogram)は、ピクトグラフ(pictograph)とも呼ばれ、文字を使わずに情報を伝達するために作成された記号、絵文字などのことです。
非常口やトイレ、エレベーターマークなどで目にすることがありますね。
ベース(地)部分の色と、図(メイン)の部分の2色使いで表現されています。
主に公共施設など多くの人が利用する場面や場所で使われ、その国の言語が分からない人や、細かな文字が読みにくい人にも伝わるように、情報を単純な型にして表示しています。
その歴史は古く、1920年頃にウィーンの経済学者オットー・ノイラートが、アイソタイプを生み出したのが始まりだと言われています。
アイソタイプとは、絵記号でまとめた図表のことで、言語を扱わずとも、グラフの絵記号を見るだけでデータを理解できたり、統計を比較できたりするものです。
そして、現在世界で幅広く使われているピクトグラムの原型は、日本のデザイナーと美術評論家の勝見勝氏によって作成されたと言われています。
実は日本が世界に広めたピクトグラム
先にお伝えした通り、日本のデザイナーと、美術評論家の勝見勝氏がピクトグラムの発展には大きく寄与しました。
彼らは、1964年の東京オリンピックでそれぞれの競技ごとのピクトグラムを作成し、公開したのです。それらの著作権は放棄され、次のメキシコシティ大会でも採用されています。
1964年当時、日本の施設はまだほとんど日本語表記しかありませんでした。東京オリンピックで外国人観光客を迎えるにあたり、施設の場所や情報を的確に伝えられるようピクトグラムが作成されていったのです。
最近では、2015年9月の国連サミットで採択された持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の17の目標をピクトグラムで紹介しているのが話題になりました。SDGsは、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標のことです。
様々な目標がわかりやすいマークになって表現されていますよ。
機能が一目瞭然! アイコン
アイコンの定義とは
ピクトグラム同様、文章ではなく視覚的な図柄で表現するものにアイコンがあります。
アイコンは、物事の機能を簡単な絵柄で記号化したものです。
一般的にパソコンやスマホなどのコンピューター画面上で使われる、ファイルやプログラムの種類・機能などの表記を指す時に使われます。
ピクトグラムとアイコンの違い
マークという点ではピクトグラムとアイコンは同じです。
ただ、ピクトグラムは2色使いを主としているのに対し、アイコンには色使いの制限がありません。とてもカラフルです。
そして、ピクトグラムとの大きな違いは、端的にいうと公共性のある表記か機能表記かということです。
ピクトグラムが公共的な空間・建物などで使用され、誰が見てもわかる図で統一されたマークであるのに対し、アイコンは、屋外や屋内で見かけるマークではなく、パソコンやスマホの機能を簡単に伝えるマークだということです。
またピクトグラムは、予備知識がなくとも理解が安易なのに対し、アイコンの場合は、そのものだけでは何を表しているのか明確ではなく、補足説明が必要な場合が多くあります。
例えば、WindowsやMacに表示されるChromeやSafariのアイコン。それがwebブラウザであると知らなければ、何のマークなのか理解することが難しいですよね。
最近は、小さなスマホに対応できるよう、簡潔なマークを用いたアプリなどのアイコンが数多く登場しています。まるでピクトグラムのように思えますが、元々の使用目的や由来を知ると少し趣旨が違うのがわかります。
象徴をデザイン化! ロゴ
ロゴの歴史
公共的なマークを示すピクトグラムと、パソコンやスマホで機能を伝えるマークであるアイコンの違いについて触れてきました。では、ロゴは、ピクトグラムやアイコンとは何が違うのでしょうか。
先に出したSDGsの図で言えば、17の目標がピクトグラムで記されいて、その上にある文字とカラフルな丸いマークがロゴになります。
今でこそ、品質を保証するマークや、赤十字のマークなどで分かる通り、言葉が通じなくとも意味を伝達するマークとしての役割を持つロゴですが、その歴史をみると、マークというよりはシンボル(象徴)と捉える方が適切かもしれません。
ロゴ(logo)の正式名称はロゴタイプ(logotype)です。起源は、古代メソポタミアで所有者を示すためなどに使われていた「円筒印章」だと言われています。
「円筒印章」とは、円筒を転がして、そこに描かれた模様を押印するものです。時代が進むと、ロゴは硬貨や家紋、ヨーロッパの紋章などとしても使用されました。
このロゴ本来の意味合いと似た言葉にあたるのが「ブランド」です。
ブランドの由来は、牛などの家畜の識別のために焼印を押したこと(焼印を押す=brand)にあります。brandには様々な焼印の形があり、その役割はロゴと通ずるものがありますね。
そして現在、ロゴは公共性の高いものから企業やブランドのシンボルとしての役割を持つように多様化しています。
華麗なるロゴデザインの世界
古くから、その物が誰の所有物か、どんな質を保証するものなのかを表してきたロゴです。
現在の企業やブランドが競ってユニーク(個性的)で意味深いロゴを作りたくなるのは、古来より人々が持つ印象と深く関わってきていると言えます。
屋外、屋内、そしてパソコン・スマホなど、どんな場所やデバイスでも通用するわかりやすいものが求められるようになってきたロゴ。今やデザイナーやブランディング担当者たちは、昼夜キラリと光るロゴを生み出そうとしのぎを削っています。
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そのコストは様々で、数万円から数億円といった高額なものまで千差万別です。
例えば、誰もが知るナイキのロゴ。デザイン料はたったの35ドル(当時のレートで約12,000円)だったと言われています。
また、コストがゼロだったことで有名なのは、創業者が自らロゴを作成したGoogleや、1885年からほぼ変わらず使用されているコカコーラがあります。
一方で、高額なデザイン料を費やしたことで知られるのは、ペプシで約1億円。英国のBBC放送は約2億円にものぼります。
もっともペプシについては、「ロゴ制作に100万ドル」という話題性を宣伝材料に使ったとも言われていて、ロゴの持つブランディング戦略の威力を見せつけられたような格好です。
ただし、お金をかければ秀でたロゴが制作できるか、と問われればNOという時代になっているのも明らかです。
ロゴメーカーなど無料でロゴを作成できるアプリが多数存在しますし、COCOLOGOのようにプロのデザイナー制作でも安く秀逸なロゴを手に入れることも可能なのです。
人類が独自のシンボルにかける情熱はまだまだ進化しそうですね。
まとめ
以上、ピクトグラム、アイコン、ロゴそれぞれの違いをざっとあげてみました。
単にマークと表現される括りのものであっても、それぞれに由来や歴史が異なり、使用目的にも違いがあることがお分かりいただけたでしょうか。
SDGsに代表されるように、ピクトグラムはより国際的に統一感が持てるようデザインされてきています。
アイコンはより人々が単純明快にその機能を利用できるように変貌しています。
そしてロゴは、単純であっても人々の心に残る、刺さるデザインを編み出そうとしています。
似て非なる3つのマークの今昔からそれぞれの未来が大きく変化していく潮流が見えますね。
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参考文献
【[MarkeTRUNK] ピクトグラムとは?その意味や歴史、作り方を解説します】
【おやつのひきだし「ピクトグラムとアイコンとマークの違いって何?」】
【ピクトグラムとはどんな意味?由来と歴史でわかるアイコンとの違い】