人気高騰中esports! ブランディング強化で続々ロゴを改修!!
コラム 2022.07.12
近年、人気・マーケット共にぐんぐん注目を集めているesports。
特に2021年、IOC (国際オリンピック委員会) が公式大会を開くと発表したことで、一気に知名度もUPしました。
そこでもちあがっているのが、esportsプロチームや事業者のロゴリニューアルです。
そこには、人気を不動のモノにしていきたい狙いと、ブランディング強化という2軸があるようです。
今回は、市場規模が拡大しているesportsの紹介と、人気チームのロゴについて解説してみたいと思います。
■目次
esports 市場規模拡大中!
esportsとは、「エレクトロニック・スポーツ electronic sports」の略称。
電子機器を用いて行う娯楽・競技、いわゆるコンピューターゲーム、ビデオゲームを使ったスポーツ競技のことを指しています。
そのesportsの市場規模が今、拡大中なのです。
2020年、世界のesports市場の売上は約1,165億円。
2023年には約1,758億円を突破すると言われています。これ、ラグビーなど従来のスポーツよりも大きな利益を出しているそうです。
事業別売上で最も多いのがスポンサーシップで約676億円 (6.15億ドル/2020年)。
次いで、メディアライツが約194億円 (1.76億ドル/ 2020年)となっています。
esportsはファン人口含め、実質の市場規模で考えても今世界で最も急成長中の事業の1つといえるでしょう。
では、そのesportsの歴史をちょっと覗いてみましょう。
esportsの歴史
始まりは1972年と言われています。
アメリカのスタンフォード大学で「スペースウォー!」というコンピューターゲーム大会が開催されました。
1980年代に入ると、欧米で「パックマン」や「ドンキーコング」などの有名な作品によるコンピューターゲーム大会が開かれるようになります。
1996年には、国際的なesports大会「Evolution Championship Series (EVO)」が樹立。
2010年代には、esportsの視聴者、大会賞金などが大幅に増加しました。例えば、2000年には10大会ほどだった大規模なトーナメント大会が、2010年には260大会に激増しています。
2011年にオンラインストリーミングサービス「Twitch」が誕生したことで、日常的にesportsが放送されるようになり、2015年には、アメリカのカリフォルニア州サンタアナに全米初のesports専用施設「esports アリーナ」ができあがりました。
日本の「esports元年」といわれているのは、2018-2019年頃です。esportsのプロチームが続々と発足したことや、大会が多数開催されるようになったことが理由に挙げられます。
また、大手企業が参入し、その市場規模が61.2億円まで上昇したことも市場拡大に拍車をかけました。2020-2023年には約26%の年間平均成長率が見込まれているそうです。
このようにesports市場が拡大をする中、ファンや企業間で注目が集まっているのがプロチームの存在感です。
そして昨今、有名なプロチームや事業者が続々とロゴをリニューアルしているという情報があります。
次に、実際どういった戦略をもって新しいロゴを打ち出しているのか、その一例を見てみましょう。
esportsロゴリニューアル例
Fnatic
2004年に設立され、現在イタリアローマを本拠地とするプロサッカークラブ・ASローマとも提携しているFnaticは、2020年にロゴをリニューアル。
現在のロゴは、よりシンプルでシャープなものに変更したとプレスリリースで発表しています。
ブラックとオレンジを基調としたロゴで、ゲーム内にとどまらず、アパレルやゲームのハードウエアに至るまで、このロゴを使ったアイテムが並びます。まさにesportsプロチームのソフト・ハードにおけるブランディンング戦略に沿ったリニューアルと言えます。
Newロゴ
Evil Geniuses
1999年設立のEvil Geniusesは、20年愛用していたロゴをリニューアル。
「未来と競争力での勝利」を見据えての変更であることが発表されています。
オフィシャルページには、ロゴの変化と同時に、ファンへ向けたPCの壁紙や携帯の画面、SNS用バナーなど、さまざまなシーンでロゴを使用できるよう提供しています。
固定ファンだけでなく、ロゴを通してチームのイメージの更なる浸透を狙ったものと言えますね。
Newロゴ
compLexity Gaming
2003年に設立されたcompLexity Gamingは、アメリカで最も伝統あるe-sportsチームの1つと言われています。
2017年にアメリカのプロフットボールリーグNFLのダラス・カウボーイズ傘下となり、2019年にロゴを改変。同時に新しいブランディング構想を発表しました。
「我々は単にロゴを変えただけではない」「esports組織がいかにあるべきかという新しいスタンダードと革新をもたらすものだ」と創設者が熱く語っています。
新しいロゴは、ダラス・カウボーイズでも使用されている、テキサス州をシンボライズする「ローンスター」に合わせたデザインになっています。
Newロゴ
FENNEL
2019年に設立され、今や日本トップクラスのesportsチーム企業であるFENNELは、2021年にロゴのリニューアルを発表。
海外市場優勢であるesportsの中にあって、日本がさらに発展するための成長、さらなるステージへの挑戦を念頭においたロゴにしたということです。
そのデザインは、FENNELの頭文字’F’と、革新(innovation)を連想させる’火花(spark)’を融合させたもの。今後全てのチーム及びリーグ事業においてこのロゴを採用するとともに、オンラインショップには、このロゴを配したアパレルファッションや雑貨がずらりとラインアップされています。こちらもソフト・ハード両面からのブランディング強化を狙ったものと思われます。
Newロゴ
まとめ
こちらで紹介したプロチームの新ロゴ発表は、2019-2021年の間の出来事。
まさにesportsの成長過渡期を象徴するかのようなロゴリニューアル事例と言えます。
古参のスポーツチームと提携していることの多いesportsのプロチームが、その連携をさらに強め、スポーツ市場への参入を印象づけるもの、ともとれます。
同時に、どのチームも力を入れているのが、ソフト面だけでなく、さまざまなシーンでのロゴ活用です。アパレルや雑貨、SNSから個人携帯の壁紙に至るまで、チームのブランドイメージアップと浸透を加速させたい狙いがあるものと言えるでしょう。
そして共通するのが、「よりシンプルに、よりアイコニックに」という言葉。どのチームの新ロゴ発表ニュースにも並んでいましたよ。
参考文献
【有名eスポーツチームが続々とチームロゴをリニューアル、狙いはブランディング強化】
【eSportsの市場は今後どう動く?2021年までの市場動向も解説!】