ロゴ作成を解説!イメージに合わせたロゴデザインとは?
コラム 2019.12.24
ロゴを作りたいと思った時、どんな風にデザインや色を決めていったら良いのでしょうか?
今回は実際に一からロゴ作成しながら、ロゴデザインに関するポイントや、イメージに合わせたロゴデザインの重要性などをご紹介したいと思います。
■目次
架空のお店のロゴをデザインしてみよう
ロゴデザインの過程をご紹介するために、サンプルとして“架空の喫茶店「ココロゴ珈琲」”のロゴを実際に作ってみます。ロゴデザインの依頼内容は、下記のとおりとします。
【ロゴデザインの依頼内容】
- シンボルマーク:コーヒーカップ
- ロゴタイプ:ココロゴ珈琲
- カラー:茶系
今回は「イメージに合わせたロゴデザイン」についても同時に解説しますので、この依頼内容を元に、イメージ別に下記の2パターンのロゴを作ることにします。
【Aパターン】手作りスイーツも楽しめる喫茶店
- ターゲット:女性中心(全年齢)
- 内装:木、白、グリーン、ナチュラル系
- ワード:ほっこり、ゆったり、くつろぎ、ナチュラル
【Bパターン】店主のこだわりの珈琲が味わえる喫茶店
- ターゲット:青年層の男女 (青年層=おおむね15〜39歳までの間)
- 内装:ウォールナット、アイアン、インダストリアル系
- ワード:おしゃれ、かっこいい、シンプル、ダーク
ロゴデザインをする前に
ロゴデザインはイメージや印象に合わせよう!その理由とは?
ロゴを作る時、「カッコよければどんなデザインでも良い」と思っていませんか?
ロゴは形や色によって、見る人に色々な印象やイメージを与えます。
【お店の場合】
- ターゲットの性別
- ターゲットの年齢層
- 商品(サービス)の価格帯
- お店のジャンル(服飾、飲食など) …など
【企業の場合】
- 安心感、信頼感
- 社風
- メッセージ性 …など
お店の場合はターゲットにしたい客層があると思いますが、ターゲットにしたい客層の目に留まりやすいロゴデザインにできれば、お店の認知度を上げることが可能になります。
例えば女性がターゲットであれば丸く柔らかな形や淡い色合いのロゴデザイン、男性がターゲットであれば無骨な雰囲気のデザインや濃いめの色合いなど…。パッと見でターゲットがわかるデザインの方が、それぞれの目に留まりやすくなります。
しかし、ターゲットにしたい客層の目に留まらなければ、認知度はなかなか上がりませんよね。
ロゴデザインは、お店を知ってもらう「きっかけ」にもなるのです。
企業の場は、顧客に信頼感や安心感を与えたいですよね。
形が整ったロゴは堅実な企業に感じますし、手書き風のロゴであればアットホームな企業の感じがします。
ロゴは企業の「顔」の役割を果たしますが、その「顔」の印象が良くなかったら…顧客の信頼を得ることはできません。
良い印象やイメージを与えるロゴデザインにすることは、企業イメージのアップに一役買ってくれるのです。
以上のように、ロゴデザインは「どんなデザインでも良い」という訳では無いんですね。
それでは、デザインに用いる要素は同じでイメージが違う場合、ロゴデザインはどのように違ってくるのかを見ていきましょう。
STEP1-まずはラフスケッチでイメージ作り
今回のシンボルマークは「コーヒーカップ」なので、コーヒーカップのラフスケッチを、思いつくまま描いていきます。
いくつか描いた中から【Aパターン】【Bパターン】のロゴデザインに合いそうなものを選び、グラフィックソフト「Adobe Illustrator(アドビ イラストレーター)」を使って作っていきます。
STEP2-シンボルマークを作ろう!
ラフスケッチの中から、【Aパターン】【Bパターン】のシンボルマークの元にするものは、下の画像のもにしました。
これらのラフスケッチを元に、イラストレーターで作ったシンボルマークがこちらです。
シンボルマーク【Aパターン】
ターゲットが女性中心ということで、優しい雰囲気が感じられるように、全体に丸い形にしてみました。また「カップの中のコーヒー」と「カップの影」が「ココロゴ」の「コ」の字に見えるようにしています。
シンボルマーク【Bパターン】
ターゲットが青年層男女、おしゃれな雰囲気を出す為に、幾何学模様のようなシンボルマークにしてみました。カップ&ソーサーを上から見たシルエットで、コーヒー(中心の黒丸部分)にコーヒーフレッシュが入っている様子を表しています。また、コーヒーフレッシュは「ココロゴ」の「CO」の文字を表現しています。
よく見ると、ラフスケッチからデザインが変わっていますね。
ラフスケッチをそのままイラストレーターで作っても「何か違うなぁ」と思うことはよくあるので、作業を進めていく中でデザインが変わることは多々あります。
STEP3-ロゴタイプを作ろう!
今回は、フォントを使ってロゴタイプを作っていきます。
シンボルマークに合わせて、それぞれ下記のフォントを選びました。
フォントはこのまま使わず、シンボルマークのデザインに合うように、少し手を加えていきます。
【Aパターン】
【Bパターン】
STEP4-全体のデザインを調整
【Aパターン】【Bパターン】それぞれ、全体のデザインができました。
ここから更に、デザインを詰めていきます。
【Aパターン】
ロゴタイプが柔らかい手書きの雰囲気になったので、シンボルマークもそれに合わせてもう少し「手書き感」を出していきます。
直線的な形を、全体に丸みのある形に変更しました。ロゴタイプと合わせてみると、先ほどよりしっくりしましたね。
【Bパターン】
全体にまとまりはありますが、もう少し個性を出したい感じがします。
そこで、シンボルマークの四角を45°回転させてみました。
それに合わせて、四角い形が似ている「ココロゴ」の文字も45°回転させます。
「ココロゴ」の文字は元々フォントを使っていて「正方形」では無かったので、縦横の比率が「正方形」になるようにも調整をしました。シンボルマークと「ココロゴ」の中心も揃えます。
これで、正方形が45°回転した模様のようなロゴタイプになりました。
STEP5-色を付けて完成!
デザインが決まったところで、色を付けていきます。
【Aパターン】
「ターゲットが女性中心」「ナチュラルな内装イメージ」に合うように、淡い茶系にしました。
シンボルマークの色変えパターンも作ってみました。シンボルマークが別の色になると、ロゴの印象が変わりますね。
【Bパターン】
「シンプル、おしゃれ」「インダストリアル系の内装イメージ」に合わせて、濃いめの茶系にしています。
こちらもシンボルマークの色変えパターンを作ってみました。
【Bパターン】の場合、【Aパターン】のシンボルマークとは逆に薄めの茶系にしています。これは、ロゴタイプの色を薄めの茶系にするとシャープなイメージが和らいでしまい、お店の雰囲気とは少し合わなくなってしまうと考えたからです。ただ、シンボルマークの方を見立たせたい場合は、シンボルマークを濃い茶系にした方が良いですね。
ちなみに【Aパターン】のシンボルマークを淡い茶系にすると、下のようになります。
シンボルマークの淡い茶系の面積がそこそこ大きいので、ロゴタイプが濃い茶系になっても「ほっこりしたイメージ」は残っています。
以上でロゴデザインが完成です。
まとめ
ロゴを作る過程はいかがだったでしょうか?
同じ依頼内容でも、イメージやターゲットが違えばそれに合わせたロゴデザインが必要になってきます。デザイナーはイメージやターゲットに応じてデザインを考えるので、ロゴデザインを依頼する場合は、できるだけイメージやターゲットなどを伝えた方が、完成度の高いロゴを提案してもらえるでしょう。
ロゴデザインを考える際や、制作依頼をする際の参考にしてみてくださいね。