ロゴには“寿命”があるの?ロゴのリニューアルが必要になる時
コラム 2022.06.14
しっかりと時間を掛けて作られた有名な企業のロゴでも、数年経つとデザインをリニューアルすることがあります。
そのような様子を見ると、これからロゴを作ろうとしている方や、すでにロゴを持っている人も『ロゴって、使える期間が決まっているのかな?』や『定期的にデザインをリニューアルした方が良いのかな?』と、感じてしまうのではないでしょうか。
今回は、ロゴが使用できる期間=“ロゴの寿命”について解説いたします。
■目次
ロゴには“寿命”があるの?
ロゴは、会社やブランドなどの様々な“想い”や“意味”を込めたり、一目見ただけでお店の雰囲気や業種がわかるようにする為に、試行錯誤を繰り返してデザインが作られます。
そうして出来上がったロゴは、会社やブランド・お店などの“顔”として末長く使われていくと思っている方は多いかと思います。
ところが、どんなに想いを込め、試行錯誤を重ねて作られたロゴでも、何年か経つとデザインをリニューアルしているのを見かけますよね。
ロゴのデザインをリニューアルするというこは、元のロゴは使えなくなったということ。
つまり、“ロゴにも寿命がある”ということになります。
では、一体どのような時にロゴが“寿命”を迎え、リニューアルが必要になるのでしょうか?
ロゴのリニューアルが必要になる“タイミング”はいくつかあるので、詳しく解説していきましょう。
ロゴのリニューアルが必要になる時
ロゴデザインが古くなった時
ロゴのデザインをリニューアルする際の理由として多いのが、『デザインが古く感じるようになったから』です。
実は、ロゴデザインには“トレンド”があります。
ロゴを作ってからある程度年月が流れると、その間にロゴデザインのトレンドが変わり、ロゴのデザインが『古い(時代遅れ)かも…?』と感じることがあるのです。
もちろん、ロゴのデザインがトレンドのものでは無いからと言って、「必ずリニューアルしなければいけない」といったことはありません。
ですが、“古い”と感じるようなデザインのロゴを使っていると、会社やお店・ブランドまでもが“古い”といったネガティブなイメージを人々に与えてしまいます。
会社やお店・ブランドをポジティブなイメージにしておく為に、ロゴのデザインが“古い”と感じた時点でトレンドに合ったロゴデザインにリニューアルするケースはよく見られます。
※ロゴデザインのトレンドを意識した方が良い理由については、記事【知っておいた方が良い?ロゴデザインのトレンドについて】にて詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
経営体制が変わるなど、何らかの変化があった時
会社やお店など、創業からずっと変わらない体制で続いていくとは限りません。
合併や経営体制が変わるなど、様々な理由から“新たなスタート”を切ることがありますよね。
そんな時にも、ロゴのデザインがリニューアルされます。
ロゴは会社やお店などの“顔”としての役割があるので、その“顔”を変える(リニューアルする)ことにより、言葉で説明するよりも分かりやすく印象的に“新たなスタート”を人々に伝えられるのです。
ブランド・アイデンティティを作る時
「BI」=「Brand Identity(ブランド・アイデンティティ)」というのをご存知でしょうか?
2000年代に登場した戦略概念で、簡単に説明すると“顧客に対してブランドの独自性を分かりやすく示すこと”です。
「BI」の登場によってロゴは“顧客に持ってもらいたいイメージの象徴”としての役割を持つようになり、近年は「BI」に合わせたロゴが作られるようになりました。
実は「BI」以前の1970〜1980年代に、「CI」=「Corporate Identity(コーポレート・アイデンティティ)」という企業戦略が流行し、当時はロゴをリニューアルしたり、新しく作る企業が多くありました。
しかしこの時代に作られたロゴは、どちらかと言うと“見た目の良さ”が重視され、ブランディングの役割を果たすには不十分なものばかりでした。
つまり、これまでの“見た目の良さ”だけで作られたロゴでは「BI」にそぐわないものとなってしまったので、デザインをリニューアルする必要が生じたのです。
「BI」や「CI」に関しては、記事【ロゴデザインの今と昔1 〜デザインが変わる理由〜】で詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。
グローバル展開を見据えた時
会社やお店・ブランドが大きくなってくると、海外進出を考えることもあるかと思います。
そういった際には、多くのケースでロゴデザインをリニューアルしています。
ロゴを「日本でのみ使用する」と考えた場合、漢字・ひらがな・カタカナ・アルファベットの色々な文字を用いてデザインすることができます。
ですが「海外でも使用する」と考えた場合、世界中の多くの人が読めるアルファベットを用いてロゴをデザインした方が、ロゴの認知度が上がりやすくなるのは間違いありませんよね。
初めからアルファベットを用いてデザインされたロゴの場合はリニューアルせずに使用し続けることもありますが、漢字・ひらがな・カタカナのみを用いていた場合はリニューアルが必要となります。
スマートフォンなどでの表示を考慮した時
近年、スマートフォンやタブレットなどでの表示を考慮して、ロゴデザインをリニューアルするケースが増えています。
以前は、ロゴが使われるのはチラシやポスターなどの印刷物が中心で、ターゲットやユーザーもそれらを通じてロゴを目にしていました。
ですが、近年スマートフォンやタブレットが普及したことにより、ターゲットやユーザーがロゴを目にする状況が大きく変化しました。
スマートフォンやタブレットでWebサイトを閲覧したりアプリを使用する人が増えたので、スマートフォンやタブレットの“小さい画面”に表示されるロゴを目にする機会が大幅に増えたのです。
どんなにこだわって作ったロゴデザインだったとしても、スマートフォンやタブレットで表示した際に「デザインが潰れてしまっている」や「何だか見えにくい」と、会社やお店・ブランドの“顔”としての役割を果たすことができません。
その為、「スマートフォンやタブレットに表示しても可読性の高いロゴデザイン」が重視されるようになってきたのです。
これまでのロゴではスマートフォンやタブレットでの表示に適さないデザインだった場合には、スマートフォンやタブレットでもはっきり綺麗に表示できるようなデザインにリニューアルする必要が発生します。
※スマートフォンやタブレットでの表示に適したロゴデザインについては、記事【Googleロゴデザインリニューアルの歴史 その2】にて「Google」ロゴのリニューアルを例に解説しています。ぜひ、併せてご覧ください。
ロゴが“寿命”を迎えるタイミングは、以上のように様々あります。
「ロゴの“寿命”は作られてから◯年」といった具合に、使用できる期間が決まっている訳ではないので、「ロゴに関わる状況の変化によって“寿命”を迎える」と考えると、ロゴの“寿命”がイメージしやすいのではないでしょうか。
ただし「使用期間が決まっていない」とは言っても、一般的に企業ロゴは10年ほど、アプリやWebサービスなど“トレンド感”が重視されるものは3年ほどでロゴをリニューアルするケースが多く見られます。
今回の記事で挙げたロゴリニューアルのタイミングに当てはまらなくても、ロゴを作ってから上記の年数が経過している場合は、一度ロゴデザインを見直してみるのも良いでしょう。
次回は、ロゴデザインをリニューアルした実例と共に、リニューアルのタイミングやリニューアルに至った理由についてもご紹介します。