「校章」のデザインのポイントは?実例もご紹介します!
コラム 2022.03.01
前回の記事では、“学校におけるロゴ”の「校章」や「コミュニケーションマーク」の役割などについて解説しました。
今回は、「校章」をデザインする際のポイントと一緒に、「校章」のデザインの参考となる実例をいくつかご紹介します。
新しく「校章」を作ったり、これまでのデザインをリニューアルしたりする際の参考にしてみてください。
「校章」のデザインのポイントとは?
『校章は学校で使うものだから、デザインする際のルールがあるのでは…?』と思われるかもしれませんが、厳密なルールなどは特にありません。普通にロゴを作る場合と同じです。
※ロゴの作り方に関しては、記事【ロゴ作成を解説!イメージに合わせたロゴデザインとは?】にて詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。
その為、歴史を感じさせる紋章のようなデザインのものから、アルファベットを用いたデザイン、近年には「企業ロゴ」を思わせるようなフラットデザインのものまで作られていて、バラエティに富んでいます。
ただ、「校章」のデザインにはいくつかの特徴があるので、そこのポイントを押さえておくと「校章」のデザインが作りやすくなります。
校訓の言葉やイメージにちなんだモチーフ
前回の記事でも解説しましたが、「校章」には校訓を図案化しているものが多くあります。その為、「校章」のデザインには、校訓に含まれる言葉やイメージにちなんだモチーフが多く使われています。
例えば、学業なら「ペン」、飛躍なら「翼」や「広がりを感じさせるシルエット」、輝きなら「星」や「菱形(キラキラマーク)」などです。
その他には、家紋と同じように、生態や言い伝え・イメージが校訓の意味と合う「植物」がモチーフとして使われることもあります。
※記事【「家紋」ってどんなデザインがあるの?多種多様な図案をご紹介!】でご紹介しましたが、植物の中には、生態や言い伝えなどが由来となって「家紋」の図案として採用されたものが数多くあります。
また、“校訓の数”を何らかのモチーフで表現することもあります。
例えば校訓が4つある場合、花弁や植物の葉、「柱」や「輪」などのモチーフを4つ配置するなどです。
参考実例
【大阪府立 信太高等学校】
画像引用元:大阪府立 信太高等学校 | 校訓/教育方針/校章/校歌(学校紹介)
中央の図形は、文化・学習を表す「ペン」がモチーフ。両脇に帯のように広がる3本線は、“知・徳・体”(教育方針)が未来に伸びるさまを表現しているのだそうです。
【島根県立松江東高等学校】
画像引用元:島根県立松江東高等学校 | 校章・校歌
上半分に扇状に配置されているのは、“真理の探究”を象徴する「ペン」。「ペン」の部分を朝日を思わせるデザイン(扇状に配置)にすることで“知性の光”を表現しているのだそう。また、「朝日=東」から、学校名にある“東”の意味も含んでいるとのこと。
下半分に配置されているのは、“強靭さと公平、着実さ”を象徴する「松(松葉)」。こちらも学校名にある“松”の意味も含んでいるそうです。3つの「松葉」が繋がったデザインになっているのは、“調和と結束”を表現しているとのことです。
学校周辺の環境や歴史に関わるモチーフ
「校章」のデザインには、学校の周囲の環境や風土・歴史に関わるモチーフなどが採用されることも多いです。
例えば、学校の周辺に桜の名所があれば「桜」を、有名な「山」や「河川」があればそれらをモチーフにしています。
歴史に関わるモチーフとしては、「家紋」が用いられることがあります。
参考実例
【渋谷教育学園幕張中学校・高等学校】
画像引用元:渋谷教育学園幕張中学校・高等学校 | 校章・校歌・制服
学校名のイニシャル「M」を囲む植物は、「槐(えんじゅ)」というマメ科の落葉高木がモチーフとなっています。
こちらの学校では、「槐」を“青年の象徴”として校樹にしているそうで、校内に「槐」の並木道があるとのことです。
【学校法人 目白学園】
画像引用元:学校法人 目白学園 | 校章・シンボルマーク
開学当時、新宿キャンパスのある場所には桐が多く自生していた為に“桐ヶ丘”と呼ばれていたことと、創設者・佐藤重遠氏の家紋も桐であったことから、校章に「桐」のモチーフが用いられているとのこと。
また、「桐」のモチーフには、ここで学ぶ人々が「桐」の字のように“心を同じくして切磋琢磨し、大きく成長するように”という願いも込められているのだそうです。
学校を表す文字
「校章」は、ロゴで言うと「シンボルマーク」の部分にあたります。つまり、図案がメインのデザインとなっています。
ですが、「シンボルマーク」とは少し異なる点があります。
多くの「校章」は図案だけで構成されているのではなく、“学校を表す文字”が入っている点です。
例えば、高校であれば「高」、中学校であれば「中」といった具合に、学校の“段階”を示す文字が入っている場合があります。
他には、学校名がそのまま入っているものや、略称(◯△小学校の場合は「◯小」)、アルファベットの頭文字が入っている場合もあります。
ところで、“少し変わった形の漢字”が「校章」に使われているのを見たことはあるでしょうか?
“少し変わった形の漢字”は「篆書体(てんしょたい)」と言って、歴史の古い書体です。
「篆書体」は、実印や銀行印に多く用いられるほか、日本紙幣にある印影やパスポートの表紙に記載の文字(日本国旅券)にも使われていて、“正式な場で使われている書体”といったイメージがあります。
そのイメージがある為か、「校章」にもよく使われる書体です。
参考実例
【青山学院】
画像引用元:青山学院 | シンボルマーク・校章
幼稚園から大学まである「青山学園」の「校章」です。
学校の“段階”を表しているものや、学校名、イニシャルなど、様々なパターンのデザインがありますね。
尚、「校章」の基本形は「盾」と「山形」で構成されていて(参考:高等部の校章デザイン)、「盾」は“神の守り・信仰”を表しているとのこと。
【専修大学】
画像引用元:専修大学 | 校章について
「校章」の中央に配置されているのは、「大學(学は旧字体)」を篆書体で表した文字です。
「専修大学」ではベーシックな「大學」の文字となっていますが、前回の記事でご紹介した「北海学園大学」や先にご紹介した「目白学園(目白大学・目白大学短期大学部)」の「校章」のように、「學」の文字をアレンジして“その学校らしさ”を出す場合もあります。
画像引用元:
「校章」はどうやって作成する?
さて、「校章」のデザインについて解説してきましたが、「校章」を作る方法(手段)で悩んでいる方はいますでしょうか?
「校章」をどのような方法で作るのかに関しても、特に決まりはありません。ですので、学校によって色々な方法で「校章」を作っています。
- 学校内でデザインを募集して、生徒または教員の作品を採用
- 公募で集まった作品の中から採用
- デザイン会社またはデザイナーに依頼して作成
上記のそれぞれの方法にはメリット・デメリットがある為、「校章」の作成方法を決める際にはそれらを知っておく必要があります。
「校章」の作成方法を決めるには、記事【ロゴの依頼先、「個人」と「企業」どっちが良いの? ー個人に依頼編ー】と【ロゴの依頼先、「個人」と「企業」どっちが良いの? ー企業に依頼編ー】が参考になりますので、ぜひこちらも併せてご覧ください。
尚、ロゴ作成・制作サービス【ココロゴ】では、ロゴ作成に関するご相談を承っております!
「校章」についてのご相談も、「お問い合わせ」フォームからお気軽にお問い合わせくださいね。