「音楽」をテーマにしたロゴを作りたい!〜デザインのヒント編〜

コラム 2021.08.10

曲やCDのタイトルに合わせたロゴや、クラシックコンサートのロゴ、音楽スタジオや楽器店、音楽教室、楽団、学校、会社などなど…「音楽」をテーマにしたロゴは様々な業種や分野で使われています。

 

「音楽がテーマのロゴ」と言うと、音符や楽器などのモチーフにデザインすることが多いかと思いますが、単に音符や楽器の装飾を入れただけでは他の「音楽がテーマのロゴ」のデザインと似てしまう可能性があります。

 

そこで今回は、「音楽がテーマのロゴ」をデザインする際に他のロゴとデザインが似てしまわないようにするポイントと、「音楽がテーマのロゴ」の参考になるデザイン実例を、2回に渡ってご紹介します。

 

 

 

 

 

「音楽がテーマのロゴ」をデザインする際の“工夫”

音楽モチーフのイメージ

 

「音楽がテーマのロゴ」は、“音楽に関係している”という事を分かりやすく表現する為、多くの場合は音符や楽器などのモチーフを使ってデザインされています。

ただし、先述したように“単にモチーフを入れただけ”のデザインにしてしまうと、他の「音楽がテーマのロゴ」とデザインが似てしまう可能性があるので、音符や楽器などのモチーフを使う際にはオリジナリティを感じられるような“工夫”が必要になります。

では、他のロゴと似てしまわないようにする為にどのような“工夫”を加えれば良いのか、いくつかの方法をご紹介しましょう。

 

 

 

音符などのモチーフと他の要素を組み合わせる

組み合わせるイメージ

 

音符などの「音楽記号」「五線譜」は、シンプルなシルエットで尚且つ“音楽に関するもの”という事がすぐにイメージできるものなので、多くの「音楽がテーマのロゴ」で使われているモチーフです。

 

そんな音符や楽器など“お馴染み”のモチーフを使っても、他の「音楽がテーマのロゴ」と似たデザインにならないようにする為には、他の要素…例えば「ネーミングの頭文字」や、「業界を表すようなモチーフ(飲食業であれば食器などのモチーフ)」と“組み合わせる”と良いでしょう。

 

音符や楽器などのモチーフを、どんな要素に・どのように組み合わせるかによって、ロゴデザインに個性を出す事が出来るので、他のロゴと差別化が図れます。

 

 

 

「手書き」でロゴをデザインする

手書きのイメージ

 

「手書き」でデザインされたロゴは、描線の強弱やかすれ、独特の柔らかいシルエットなど、デジタルではなかなか表現できない特徴を持ちます。

その為、“手書きのロゴ”というだけで、十分オリジナリティが感じられるデザインにする事が出来ます。

 

ただし、「手書き」のロゴの場合は描線の持つ個性(タッチ)がロゴの印象を大きく左右するので、オリジナリティを出したいからと言って“とりあえず手書きでデザインすれば良い”という訳ではありません。

 

「手書き」のロゴは、タッチよって“ほっこり”や“やさしい”、“可愛らしい”、“和風”、その他“クール”や“洗練された”と、様々なイメージになります。

言い換えると、タッチの選択を間違えてしまうと、イメージと違ったロゴになってしまうのです。

「手書き」でロゴをデザインする場合は、まずはイメージに合わせたタッチを決めてからデザインしましょう。

 

 

 

配色を工夫する

配色のイメージ

 

例えば「ピアノ」をモチーフにロゴをデザインする場合、“ピアノ=黒”のイメージから、多くの方はロゴデザインに黒色を使おうとするのではないでしょうか。

 

もちろん“モノの色=ロゴの色”というような色の決め方をしても良いのですが、ロゴデザインの場合は必ずしも“モノの色”にこだわる必要はありません。

 

それよりも、“色の持つイメージ”※から配色を考える方が良いでしょう。

※色の持つイメージについては、記事【形と色でこんなに変わる!ロゴが与えるイメージの話】にて詳しく解説しています。

 

「ピアノ」のモチーフを使って“子供向けのピアノ教室”のロゴを作る場合、黒色のロゴでは少し“固い”印象のロゴになってしまって、“子供向け”といった印象にならない事があります。

そんな場合は、“ピアノ=黒”にするよりも、淡い配色にした方が“子供向け”のイメージに合うデザインになります。

また、“ピアノ=黒”はありがちな配色なので、黒以外の配色にする事で他の「音楽がテーマのロゴ」と差別化が図れます。

 

 

 

「ネガティブスペース」を使ってデザインする

ルビンの壺イメージ

 

「ネガティブスペース(英:Negative Space)」というのをご存知でしょうか?

簡単に言うと、デザインにおける“余白”の事を指します。

 

その“余白”を使ってデザインする…と、言葉で説明すると少し分かりにくいので、有名な例を使って解説しましょう。

 

「ルビンの壺(または盃)」という絵(上左画像参照)を見た事はあるでしょうか?

 

白黒の2色で描かれたこの絵は、“白”の部分に注目すると「黒地に白いシルエットで描かれた壺の絵」に見え、“黒”の部分に注目すると「向かい合った2人の横顔の黒いシルエットの絵」に見えるというものです。

“ネガティブスペースを使ってデザインする”というのは、この「ルビンの壺」でいうと“白”と“黒”の部分で2つの意味を持つようなシルエットをデザインするという事です。

 

「ネガティブスペース」を使った、有名なロゴの例をご紹介しましょう。

 

物流サービスを提供している「フェデックス・コーポレーション(FedEx Corporation)」のロゴを目にした事がある方は多いかと思います。

このロゴデザインには、「E」と「x」の余白(ネガティブスペース)に「矢印(→)」が隠れています。

FedExロゴ

画像引用元:FedEx | フェデックス日本

 

文字(アルファベット)に注目していると「矢印」には気づきませんが、余白に注目してみると、「E」と「x」の隙間に「矢印(→)」が浮かび上がってきますね。

 

「ネガティブスペース」を使ったデザインは1つのシルエットで2つの意味を持たせる事が出来るだけでなく、デザインの面白さから印象にも残りやすい特徴があります。

 

「ネガティブスペース」を使ってデザインすれば、音符や楽器などのモチーフを使った場合でも、他の「音楽がテーマのロゴ」とは一味違ったロゴが作れるのでおすすめです。

 

 

 

次回は、「音楽がテーマのロゴ」の実例を、ロゴ作成のヒントとなるポイントと併せてご紹介します。

 

 

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