Googleロゴデザインリニューアルの歴史 その1

コラム 2021.06.01

“会社の顔”と言われる「ロゴ」は、様々な理由やタイミングによってデザインをリニューアル※する事があり、それ自体は決して珍しい事ではありません。

 

※記事【ロゴデザインのリニューアルについて、有名企業の実例と共にご紹介します!】【ロゴデザインの今と昔1 〜デザインが変わる理由〜】で詳しく解説しています。

 

ですが、“会社の顔”を思いつきや気まぐれでリニューアルする訳にはいきませんよね。

「そろそろロゴをリニューアルしようかな?」と考えている方の中には、“リニューアルのタイミング”に悩んでいる方が多いのではないでしょうか?

 

そんな時の参考になるのが、有名企業のロゴの変遷です。

 

有名企業はロゴデザインのリニューアルを繰り返している事が多いので、ロゴデザインの変遷をたどれば、“どのようなタイミングで・どういった理由からデザインをリニューアルしたのか”というのを知る事ができます。

 

今回は、ロゴデザインのリニューアルを繰り返している大手企業の中から「Google」のロゴの歴史を辿ってみたいと思います。

 

 

 

 

 

Googleロゴ歴史1:1997年〜

インターネット関連のサービスと製品に特化したアメリカ合衆国のIT企業「Google」の歴史は、1995年、スタンフォード大学に在籍していたラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンの出会いから始まりました。

 

彼らの作成した検索エンジン(情報を検索するシステム)は、当初「Backrub(バックラブ)」というニックネームで呼んでいましたが、その後、数学用語の「googol(ゴーグル)」をもじった「Google」という名称に変更。

1997年に「Google」のドメイン(インターネット上での住所の事)である“google.com”が登録され、その当時のロゴが以下のものになります。

 

Googleロゴ-1997

 

当時は現在に比べ、表現できる色数やグラフィックに限度があったので、このようなデザインになったと思われますが、“ロゴ”と言うよりは“飾り文字”といった印象ですね。

ですが、カラフルな文字にしている点は、「Google」ロゴのデザインの“原点”を感じさせます。

 

ちなみに、この当時はまだ「Google」は本格的に稼働しておらず、「Yahoo!」が検索エンジンのトップの座を占めていました。

 

 

 

Googleロゴの歴史2:1998年〜

「Google」は1998年9月4日に法人化し、その後にロゴデザインをガラリと変更しました。それがこちらです。

 

Googleロゴ-1998-1

「感嘆符(びっくりマーク)」が無いこちらのデザインは、およそ1ヶ月間使用。

その後1998年10月30日から、「感嘆符」が付き、配色も変更されたものが約半年使用されました。

 

Googleロゴ-1998-2

後のデザインの方は現在のロゴと同じ配色なので、こちらの方が“Googleっぽさ”を感じますね。

 

実はこのロゴ、先にご紹介した「Google」創設者の一人であるサーゲイ・ブリンが「GIMP」(Web用グラフィックの編集を想定して開発された、画像加工のフリーソフト)を用いて作成したものなのです。

 

以前の記事【ロゴジェネレーターを使った ロゴ作成のメリット】でもご紹介していますが、ロゴは画像編集ソフトやロゴジェネレーター等のロゴ作成ツールがあれば、誰でも(デザイナーでなくても)ロゴを作る事ができます。

 

ただし、ツールを使いこなせなかったり、デザインの知識が無い場合、ロゴの“役割”を十分に発揮できないデザインになってしまう可能性があります。

※ロゴの役割につきましては、記事【ブランディングに欠かせない、ロゴの役割と効果とは?】で詳しくご紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。

 

 

 

Googleロゴの歴史3:1999年〜

1999年に再びロゴデザインが変更されましたが、こちらのロゴはこれまでと違って、すっきりとした印象のデザインになりました。

 

Googleロゴ-1999

このロゴは「Catull(カトゥル)」という書体を使ってデザインされていて、「Catull」はこの後2015年まで、ロゴのベースの書体として使用されました。

「Catull」を使ったロゴは長らく「Google」のトップページに表示されていた事もあり、多くの人にとって“Googleロゴ”としてのイメージが強く残っているのではないでしょうか。

 

このロゴをデザインしたのは、グラフィックデザイナーのルース・ケダル。彼女がスタンフォード大学美術学部の美術教授を務めていた1998年、学生だったラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンの依頼を受けて作成されました。

 

ラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンは、“たまたま同じ大学にグラフィックデザイナーの先生が居たから”という理由で、ロゴ作成を依頼したのでしょうか?

 

実は1998〜1999年頃、オフィスの移転や資金調達など、「Google」を本格的に稼働する為の大きな動きがありました。

ルース・ケダルとの出会いもロゴデザインリニューアルのきっかけになったのかもしれませんが、恐らく“Google本格稼働”のこの機会に、“会社の顔”と言われるロゴを信頼のおけるデザイナーに依頼して、ブランディングを図ろうと考えたのではないかと思われます。

 

 

「Google」のロゴは、創設から本格的始動までの様々なタイミングや理由によって、デザインがリニューアルされていきました。

 

次回は引き続き、1999年以降の「Google」のロゴデザインの変遷について解説していきます。

 

「Google」ロゴ画像引用元:Wikipedia | Google logo

 

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