「緊急事態宣言」がグッズ化されている!?

コラム 2021.01.26

—今年は、良い年にしていきたい…

 

誰もがそう思って迎えた2021年。

しかし、新年早々に暗いニュースが流れてしまいました。

 

新型コロナウイルス感染症の感染拡大が止まらない事を受け、政府は1月7日、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県の1都3県を対象に「緊急事態宣言」を発令。

更に1月13日には、栃木県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県の2府5県に対しても、「緊急事態宣言」が発令されました。

 

昨年の「緊急事態宣言」発令による打撃が回復しないうちに、飲食業界とそれに関わる業界は、またも厳しい状況を強いられる事となってしまいました。

 

ところで、この状況を利用したグッズが販売されているのはご存知でしょうか?

今回は、「緊急事態宣言」が発令された状況だからこそ作られたグッズについて、ご紹介します。

 

 

 

知っていますか?「緊急事態宣言」と「非常事態宣言」の違い

違いがわからないイメージ

グッズについてご紹介する前に、「緊急事態宣言」に関して、少し解説をしておきましょう。

 

「緊急事態宣言」と同じように、コロナ禍でよく耳にするようになった言葉に「非常事態宣言」がありますが、2つの違いについてはご存知でしょうか?

 

どちらの言葉も、深刻な事態に対して注意を促す為に使われるものなので「使う言葉が違うだけで、意味は同じかな?」と思っている方もいるかもしれませんね。

実は、2つの言葉には、厳密には違いがあります。

 

 

「緊急事態宣言」とは

大規模な自然災害や感染症、戦争などの有事が発生した際に、政府が法令などに基づいて特殊な権限を発動したり、国民に注意を促す為に行う宣言です。

今回のコロナ禍においての「緊急事態宣言」は、「新型インフルエンザ等対策特別措置法」に基づいて発令されました。

 

「緊急事態宣言」(正確には「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言」)の発令によって、対象地域の都道府県知事は住民に対し、『外出自粛要請』や『学校・大型商業施設の使用制限』等を行う権限を与えられます。

 

ちなみに2020年2月、北海道知事が政府よりも早く「緊急事態宣言」を発令した事は、覚えているでしょうか?

この場合の「緊急事態宣言」は北海道が“独自に”発令したものなので、法的根拠は無く(法律に該当する事項が無いので、法的な正当性も無い)、政府の発令する「緊急事態宣言」とは別のものになります。

 

 

「非常事態宣言」とは

日本政府が宣言する際には、「緊急事態」という言葉を使う事で統一されています。

ですので、「日本政府から非常事態宣言が発令された」といった表記があった場合は、“表記の間違い”という事になります。

 

「医療非常事態宣言」や「非常事態宣言」等、“今すぐ人々に知って欲しい、深刻な状況”である場合に、自治体などから「非常事態宣言」が発令されていますよね。

政府による「緊急事態宣言」には都道府県知事に一定の権限が発生しますが、自治体などが独自に「非常事態宣言」を発令しても(2021年1月26日時点では)法的根拠が無い為、政府から権限は与えられません。

 

 

「緊急事態宣言」は、自治体が独自に発令する場合もありますが、基本的には“政府が発令するのが「緊急事態宣言」”で、“自治体などが独自に「非常事態・緊急事態宣言」を発令しても(2021年1月26日時点では)法的根拠はない”といった点で覚えておくと、違いが分かりやすいでしょう。

 

 

 

なぜ「緊急事態宣言」がグッズになるのか

政府によって「緊急事態宣言」が発令されるという、この緊迫した状況で発売されたグッズというのは…

 

「緊急事態宣言発令中」の文字がデザインされた、Tシャツやステッカーなどです。

緊急事態宣言のTシャツイメージ

※画像は販売されているグッズのイメージです。

 

「ただ単に、“緊急事態宣言”って書いてあるだけじゃないか…」と思われるかもしれませんが、実はこのデザイン、有名なロボットアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」で使われるデザインのパロディになっているのです。

 

 

文字だけで“らしさ”が伝わるデザイン

「新世紀エヴァンゲリオン」は、アニメや漫画が好きな人にとっては言わずと知れた作品です。2020年10月で最初のテレビ放送から25周年目を迎えましたが、今なおその人気は衰えていません。

 

エヴァンゲリオンのイラスト

画像引用元:エヴァンゲリオン公式サイト

 

アニメを見た事が無い人でも、「パチンコで知っている」という方や、度々、あらゆる企業とコラボしているので「何となく知っている」という方は多いのではないでしょうか。

 

「新世紀エヴァンゲリオン」は、映像やストーリーといった部分だけでなく、“文字をデザイン的に使った”事でも、多くの人にインパクトを与えました。

 

作中では、太めの明朝体(正確にはフォントワークスより販売されている「マティス-EB」というフォントです)が各話のタイトルや、作中に出てきた掲示物・備品・警告の表示画面など、あらゆる部分で使われていました。

作中で“太めの明朝体”が統一して使われた事で、視聴者には“太めの明朝体を使ってデザインされたものは、エヴァっぽいデザイン”としてイメージが定着し、アニメ放送以降、一つのデザインジャンルとして確立したほどでした。

 

マティスのフォント

画像引用元:エヴァンゲリオン公式サイト | 「新世紀エヴァンゲリオン」

 

ですので、“太めの明朝体”で文字が書いているだけでも、分かる人には「これは、エヴァのパロディだな」と分かる訳です。

これがもし、“ゴシック体”で書かれていた場合は、エヴァのパロディでは無くなってしまいます。

 

 

「緊急事態宣言」をパロディにするワケ

ただ単に“太めの明朝体を使う”だけでなく、「緊急事態宣言」が発令された状況も、実は「新世紀エヴァンゲリオン」のパロディとして当てはまるものでした。

 

「新世紀エヴァンゲリオン」は、謎の敵が襲来した事によって「特別非常事態宣言」が発令されるところから物語がスタートします。

 

作中の「特別非常事態宣言」はコロナ禍による「緊急事態宣言」とは異なりますが、エヴァ好きな人たちにとっては、このような宣言が発令された事で“アニメのような状況が現実世界で起こった!”と、心躍る状況になった訳です。

 

 

 

文字だけでもロゴになる!

なぜ「緊急事態宣言」がグッズ化されたのか、お分かりいただけたでしょうか?

「緊急事態宣言」が実際に発令されている状況で、それをグッズ化していると「不謹慎な!」と思う方もいるかもしれませんが、“こんな時だからこそ、パロディで明るく前向きに過ごそう”というメッセージが込められているのかもしれませんね。

 

「緊急事態宣言」グッズのように、絵柄(シンボルマーク)を使わず、文字だけで作られるロゴを「ロゴタイプ」と言います。

 

ロゴの定義

 

「ロゴには絵柄が無ければいけない」という決まりはありませんので、絵柄が無い分、印象的な文字のデザインにすれば、「ロゴタイプ」のみでもロゴとしての役割を十分に果たす事ができます。

 

 

「新世紀エヴァンゲリオン」で使われた“太めの明朝体”は、そもそもロゴではありませんが、文字デザインのインパクトと作中での効果的な使われ方によって、“エヴァと言えばこの文字”という印象を人々に植え付ける事ができました。

このケースは、「ロゴタイプ」だけでも印象的なデザインを作る事ができる、良い例でもあるのです。

 

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