ロゴデザインのヒントに!海外企業・ブランドのロゴをご紹介
コラム 2020.04.07
ロゴを作ろうと思った時、一体どんなデザインにすれば良いか悩みますよね。
そんな時には、有名企業のロゴのデザインを参考にすると良いでしょう。特に海外のロゴは、日本企業とはまた違った雰囲気のロゴが数多くあり、ロゴデザインを考える上でのヒントになります。
今回は、ロゴ作成の際のヒントとなるような、海外の有名企業・ブランドのロゴをご紹介します。
■目次
海外ロゴデザインの実例
dribbble(Tiny)
引用元: dribbble.com
「dribbble(ドリブル)」は、アメリカ発・世界中のクリエイターが集まる「クリエイターの為のSNS」です。
「ドリブル」と聞くと、何かを連想しませんか?そうです、「バスケットボール」です。
「dribbble」のWebサイトでは、サービス名やロゴのデザインだけでなく、様々なアクションの名称もバスケットボール用語になっていて、独自の世界観を作っています。
ちなみに「ドリブル」の正しい綴りは「dribble」で「b」が2つなのですが、「dribbble」のロゴは「b」が3つ並んだものになっています。
「dribbble」はロゴタイプが「筆記体になっている=アルファベットが全て繋がっている」ので、クリエイター同士の「繋がり」を表しているように感じますね。
また、ロゴタイプが丸みのある柔らかい線になっているのに加えて、「bbble」の輪の部分がリズミカルに並んでいるので、「楽しい」「フレンドリー」といった雰囲気が感じられます。
ロゴのカラーは「ピンク」のバリエーションもあるのですが、「淡いピンク」ではなく「少しくすんだピンク」になっています。
ピンクというと「女性」というイメージに結びついてしまうように思えますが、「少しくすんだピンク」にすることで可愛らしいイメージが薄まり、「女性だけ」をイメージする色では無くなります。
色は、色調を変えるとイメージも変えることができるのです。
また、このくすんだピンクはビビッドに近い色味なので、「活動的」「刺激的」といった雰囲気が感じられます。まさに、「クリエイターが集まる」というサービス内容を表現するのにピッタリなカラーですね。
※色とイメージについては【ロゴデザインを引き立てる!色の持つ効果】の記事で詳しく紹介しています。ぜひ、併せてご覧ください。
Snapchat(Snap,inc.)
引用元:snapchat.com
アメリカ発の「Snapchat (スナップチャット)」は、10代20代の若者に人気の「メッセージアプリ」です。
「Snapchat」という名前はよく知らなくても、“口から虹が流れ出す動画”は目にしたことがあるのではないでしょうか?
他にも、赤ちゃんになったり性別を変えるなどの写真加工の機能も有名で、「写真や動画の加工で遊べるSNS」として話題です。
「Snapchat」のロゴは「おばけ」がモチーフになっていますが、これは「Snapchat」の“とある機能”が関係しています。
それは、相手に送信した写真や動画が「数秒で消える」機能。
この「消える」機能を表しているのが「おばけ」のロゴなのです。
サービス内容を連想させるモチーフをロゴデザインに使うことはよくありますが、「消える=おばけ」を使うあたりに遊び心を感じますね。
また、アプリのアイコンには明るいイエローを使っていて、「若者向けSNS」といった雰囲気も感じます。
ちなみにこの「おばけ」のロゴ、以前は顔が描かれていましたが、デザインリニューアル後はシルエットのみとなりました。
顔があるデザインは「子供っぽいイメージ」になりますが、顔が無くなる(シルエットのみになる)と「子供っぽさ」が無くなる為、年齢問わず使えるデザインになります。
幅広い年齢層をターゲットにしたい場合、「LINE」のロゴのように、年齢問わず使えるようなデザイン(またはリニューアル)にすると、幅広い年齢層の目に留まりやすくなります。
※「LINE」のロゴについては【ロゴデザインのリニューアルについて、有名企業の実例と共にご紹介します!】の記事に詳しく記載しています。ぜひ、併せてご覧ください。
Vimeo(Vimeo, Inc.)
引用元:vimeo.com
「Vimeo(ヴィメオ)」は、アメリカに本社を置く「クリエイター向けの動画共有サイト」です。「Vimeo」の名前の由来は、「video(ビデオ)」と「me(私)」を合わせた造語と、「movie(映画)」の文字の入れ替えの2つから来ています。
動画共有サイトと言えば、一般的には「You Tube」の方が有名ですね。
「Vimeo」では、原則クリエイターによるオリジナル作品でないと投稿できないので、「You Tube」よりもクリエイティブな動画が投稿されています。
「動画共有サイト」という点は同じですが、その内容は全く違っています。
「You Tube」のロゴは、赤い丸みのある四角に「再生マーク(三角)」が入ったシンボルマークに、ゴシック系の「You Tube」のロゴタイプ。
一方「Vimeo」のロゴはシンボルマークは無く、水色で柔らか味のあるロゴタイプ。
「You Tube」と「Vimeo」は、カラーとロゴタイプで対照的なデザインとなっています。
ここまでロゴデザインが違っていれば、どちらも「動画共有サイト」とはいえ、ユーザーが“うっかり間違える”ということは無いですね。
ロゴデザインが他社と似てしまわないようにすることは、とても重要です。
特に注意が必要なのが、同じ業種です。
例えば、「飲食系・メインのカラーは赤」や、「喫茶店・コーヒーカップのシンボル」といった具合に、ロゴに使いたいカラーやシンボルマークのデザインが似通ってしまうことがあるかと思います。
ロゴを作った側からすると「別のデザイン」に見えても、ユーザーからは「(他社と)同じデザイン」に見られることもあります。
ロゴが同じに見えてしまうと、ユーザーが他社と間違って商品を購入したり、サービスを利用したりと混乱が生じてしまい、「先にロゴを作っていた企業」から訴えられてしまうことも※。
※有名な例が、2001年の「ハウスVSエスビー パッケージ酷似事件」。ハウス食品がエスビー食品を提訴。その後和解。
ロゴ作成する際は同じ業種に限らず、似たデザインになってしまわないよう(または似たデザインがあるかどうか)、デザインチェックする必要があります。
Swarovski(Swarovski)
引用元:swarovski.com, swarovskioptik-j.jp
「Swarovski(スワロフスキー)」というと、どんな商品を思い浮かべるでしょうか?
女性の場合はクリスタルを扱う「Swarovski」、男性の場合は双眼鏡を扱う「Swarovski Optik(スワロフスキー オプティック)」に馴染みがあるかもしれませんね。
どちらの「Swarovski」も、オーストリアに本社のあるSwarovski社のグループ会社になります。
「Swarovski」と「Swarovski Optik」のロゴは、それぞれブランドイメージを的確に表現したデザインとなっています。
ロゴタイプはどちらも同じなのですが、シンボルマークが「白鳥」と「鷹(正確には決まった種類の鳥ではないそうです)」と、対照的な鳥をモチーフにしています。
クリスタルを扱う「Swarovski」の白鳥は、クリスタルジュエリーの「気品」があるイメージにピッタリです。それから、白鳥といえば「湖」。白鳥と一緒に連想される「湖」が、クリスタルの「透明感」のイメージにも合っていますね。
また、白鳥のシルエットに「グラデーション」の表現を使うことで、「ベタ塗り」だけのシルエットにするよりも、一層「上品」な雰囲気を感じさせます。
一方の双眼鏡を扱う「Swarovski Optik」の鷹は、「アウトドア」「バードウォッチング」のイメージにピッタリですね。
ジュエリーとして扱われるクリスタルに対して、双眼鏡はアウトドア用品になるので、「Swarovski Optik」のロゴタイプを「もう少しアウトドアな雰囲気にしても良いんじゃないの?」と思われる方もいるかもしれません。
「Swarovski Optik」の双眼鏡に使われているレンズは、職人の手によってひとつひとつ作られる最高品質の物。ただのアウトドア用品ではなく、「高級双眼鏡」なのです。
そのことから、「Swarovski Optik」ロゴタイプは「アウトドア」の雰囲気にはせず、「高級感」を出してブランドイメージを高めていると考えられます。
Hermès(Hermès Internationa)
引用元:hermes.com
「Hermès(エルメス)」は、誰もが知っているフランスのブランドですね。
「Hermès」は、高級馬具工房が始まりということはご存知でしょうか?
「Hermès」の起源を知らなくても、シンボルマークを「馬車」にしていることから、ブランドと「馬」に何か関係があることが想像できますね。
そして、これは有名な話ですが、このシンボルマークの馬車には「主人」が乗っていません。なぜ主人が描かれていないのかというと、”Hermèsは最高の品物をご用意しますが、それを御すのはお客様ご自身です”というメッセージが込められているからです。
ひとつのシンボルマークで、ブランドの起源とユーザーへのメッセージが込められている、素晴らしいデザインですね。
「Hermès」のロゴタイプは「線が均一」なので、どちらかといえば「カジュアル」な雰囲気にも見えます。高級ブランドであるならば、ロゴタイプはもう少しキレイ目(「Swarovski」のような)でも良い気がしますよね?
この「線が均一」のロゴタイプは、「堅実」「安定感」といったイメージを与えます。
「Hermès」の起源は、高級馬具工房と先述しましたね。
工房が起源であることから、高級ブランドとして煌びやかな雰囲気よりも、「職人たちの確かな手仕事」の雰囲気が伝わるロゴタイプを選んでいるのではないかと想像されます。