形と色でこんなに変わる!ロゴが与えるイメージの話
コラム 2020.02.25
ロゴはデザイン(色や形)によって、見る人に様々なイメージを与えます。
今回は、どのようなデザインがどのようなイメージを与えるのか、詳しく解説いたします。
ぜひ、ロゴ作成する際の参考にしてみてください。
■目次
ロゴの与えるイメージ-形(シルエット)編
ロゴが人に与えるイメージの要素として、「形(シルエット)」と「色」があります。
まずは、「形」について解説いたします。
「丸」と「角」のイメージの違い
ロゴタイプやシンボルマークが「丸い」か「角張っている」かで、与えるイメージはガラリと変わります。
丸い形
・和やか、優しい
・女性的、子供っぽい
・カジュアル
・親しみやすい印象
角張った形
・堅実、力強い
・男性的、大人っぽい
・フォーマル
・すっきりした印象
ロゴ作成の際に、デザインのイメージが無い場合もありますよね。
そんな時、まずは「丸い形」と「角張った形」の与えるイメージから、ロゴデザインの方向性を決めると作りやすいでしょう。
「手描き」と「パス描き」の違い
「手描き」とは「手で紙に描いたそのままの線」、「パス描き」とは「パソコンで、ツールを使ってフリーハンドで描いた線」を指します。
手描き
・他には無い(オリジナリティが強い)
・親しみ
・素朴
・手作り感
パス描き
・オリジナリティ
・親しみ
・ナチュラル
「手描き」・「パス描き」の場合、どちらでもオリジナリティのあるデザインにすることは出来ます。
「パス描き」の場合、加工によって「手描き感」を出すことはできますが、「手描き」の方が描き手の癖(線の強弱など)が出る分、より強くオリジナリティを感じさせることが出来ます。
もし、「手描きそのままの線だと、イメージとちょっと違う」という場合には、「パス描き」にしてみるのも良いでしょう。
「パス描き」はツールを使って描くので「整った線」になり、「手描き」の線に比べるとシンプルでスッキリとした印象になります。
「フォント」と「オリジナル文字」の違い
「フォント」を使えば手っ取り早くロゴが作れますが、「オリジナル文字」と比べて、どのようなイメージの違いがあるのでしょうか。
フォント
・フォントによっては印象に残りにくい
・個性が出にくい
・ありきたりな印象
オリジナル文字
・他に無い書体=印象に残りやすい
・オリジナリティ
・デザインに統一感を感じる
「フォント」自体が「デザインされた文字」なので、ロゴに使うことに問題はありません。
ただ、「フォント」は雑誌・看板など様々な場所で使われている為、「どこかで見た」という印象を与えるので、「オリジナル文字」と比べるとインパクトは弱くなります。
また、「どこかで見た」という印象を与えるということは、「とりあえず作った」という印象も与えてしまう可能性があります。
「会社の顔」と言われるロゴをそんな風に思われてしまっては、イメージが良くありませんよね。
「フォント」を使うにしても、配置やシンボルマークなどで個性が出るように、全体的にデザインを工夫する必要があります。
ちなみに、「フォント」を使ったロゴを商標登録する際は、使用したフォントの利用規定(ライセンス)を確認する必要があるので注意しておきましょう。
ロゴの与えるイメージ-色編
色に対する感じ方は性別や年齢・個人によっても変わるため、「これが絶対」というのはありません。
ですが、「大多数の人が感じるイメージ」というのはあります。
どのような色がどのようなイメージを与えるのかは、ロゴ作成以外でも使える知識なので、知っておくと良いでしょう。
色別のイメージ
赤【レッド】
・元気、力強い、情熱的
・注意、危険
・食欲をそそられる
橙【オレンジ】
・元気、優しい、陽気
・賑やか、親しみ
黄【イエロー】
・明るい、楽しい、輝き
・注意
緑【グリーン】
・ナチュラル、自然、フレッシュ
・誠実、親しみ
青【ブルー】
・爽やか、信頼、誠実
・クール、知的
・冷たい(親近感を感じない)
紫【パープル】
・高貴、神秘、ミステリアス
・下品(色の組み合わせによる)
黒【ブラック】
・印象に残りやすい
・洗練、堅実
「明るい色」と「暗い色」
赤や青といった「色」とは別に、「明るい(薄い)色」や「暗い(濃い)色」という分類もありますよね。
専門的な言葉では「明度(色の明るさ)」や「彩度(色の鮮やかさ)」と言いますが、ここでは簡単に「明るい色」「暗い色」としておきます。
それぞれの色について、一般的なイメージの違いは下記のようになります。
明るい色
・楽しい
・軽い(カジュアル、ラフ)
・安い
・子供向け
暗い色
・落ち着いた
・重い(本格的)
・高級
・大人向け
以上のように、「色」は「形(シルエット)」よりも微妙なニュアンスを伝える力を持っています。
しかし、「色」と「形」の両方がイメージに合致していないと、狙ったイメージは伝えられません。
例えば高級感を出したい場合、デザインで高級感を出していても明るい色を使ってしまうと、カジュアルなイメージに寄ってしまいます。
逆に、カジュアルなイメージにしたい場合に暗い色を使うと、落ち着いたイメージに寄ってしまいます。
ロゴデザインにおいて、「色」は与えたいイメージの「最後の味付け」のようなものです。
ターゲットやユーザーに与えたいイメージに合致する色を選んで、ロゴのイメージ効果を高めましょう。
サンプルで見てみよう!ロゴが与えるイメージの違い
それでは次に、“架空の英会話教室「ココロゴ英会話」”のロゴを元に、イメージに合わせたロゴデザインの違いを解説していきます。
ターゲットの年齢層別ロゴデザイン
「ココロゴ英会話」という名称だけでは、ターゲットとなる年齢層はわかりません。
そこで、先述の「ロゴの与えるイメージ」をふまえて、年齢層の違うターゲットに合わせたロゴを作ってみましょう。
キッズ層向け
●シンボルマーク…単純化した顔のシルエット
●ロゴタイプ…丸みのある、可愛らしい雰囲気
●カラー…淡く、楽しげな配色
英会話教室に通うのは小さな子供ですが、通わせたいのは「親」です。
「ここは子供向けの英会話教室だ」とすぐにわかるロゴデザインにすれば、「子供を英会話教室に通わせたい親」の目に止まりやすくなります。
シニア層向け
●シンボルマーク…リアル寄りの顔のシルエット
●ロゴタイプ…きれい目でベーシックな雰囲気
●カラー…やや暗めの落ち着いた配色
「キッズ層向け」の英会話教室に対して、こちらはシニア自らが通うかどうかを判断することになります。
そこで、ロゴを見た時に「大人が多く通っている雰囲気」がわかるデザインにする必要があります。
落ち着いた色味にすることで、若年層よりはシニア層が興味を持つ雰囲気にしています。
「雰囲気」の違い
英会話教室に限らず、飲食店などのお店に行く際、「価格帯は、手頃か高級か…」というのが気になりますよね。
ターゲットの年齢層とは別に、英会話教室の「雰囲気の違い」に合わせたロゴも作ってみましょう。
カジュアルな雰囲気
●シンボルマーク…シンプルな顔のシルエット
●ロゴタイプ…ポップな雰囲気
●カラー…はっきりした、明るい配色
「キッズ層向け」に比べて全体に角ばったデザインにすることで、「大人」の雰囲気を出すことができます。
ただ「大人」といっても“二十歳以上の大人”だけがターゲットではありません。
シンボルマークや色使いをカジュアルな雰囲気にしているので、“小学生から社会人”といった幅広い年齢層をターゲットにすることができます。
また、明るめの色は「手頃な価格帯」をイメージできるので、「気軽に通える教室」という雰囲気を与えることができます。
本格的な雰囲気
●シンボルマーク…エンブレムをイメージ
●ロゴタイプ…エレガントな雰囲気
●カラー…暗めの落ち着いた配色
ロゴタイプやシンボルマークをエレガントな雰囲気のものにすると、全体に高級感が出て「本格的」なイメージになります。
また、落ち着いた色使いにすることで、さらに高級感を出すことができます。
このロゴデザインの場合、「気軽に通えない雰囲気」が出てしまって生徒数が集まりにくくなるかもしれませんが、「本気で習いたい」という熱意のある人が集まる可能性があります。
本気で習いたい人は継続して通う確率も高いので、「少人数でも通い続けてくれる生徒」をターゲットとしたい場合に向いているデザインと言えますね。