イベントポスターやチラシのタイトルに適したフォントとは?おすすめのフォント素材もご紹介
コラム 2021.12.28
年末年始はイベントやキャンペーン・クリアランスセールがあちこちで実施されるので、ポスターやチラシ・Webのバナーなどの広告を目にする機会も増えますよね。
さて、そんなイベントやセールの告知で使われている「フォント」に注目した事はあるでしょうか?
今回は、イベントやセールなどのタイトルで使うフォントの選び方と、無料でダウンロードできるフォント素材をいくつかご紹介します。
■目次
イベントやキャンペーンのタイトルに適したフォントとは?
イベントやキャンペーンなどのポスターやチラシのタイトルで使うフォントは、『目立つものならどんなフォントでも良い!』と思っていませんか?
広告のタイトルで使うフォントは、実は広告効果を左右するくらい重要な要素となっています。
その為、タイトルに適したフォント選びのポイントを押さえておくことは、フォント選びが楽になるだけではなく、広告効果を上げることにも繋げられるのです。
それでは、タイトルに適したフォントの選び方のポイントを解説していきましょう。
視認性の高いフォント
イベントやセールのタイトルで使うフォントは、視認性の高いフォントである必要があります。
なぜなら、イベントやセールなどの広告は人々の注目を向けさせる為に派手なデザインのものが多いので、その様なデザインの中でも“何を告知しているのか”が分かるようなタイトルにしなければいけないからです。
その為、タイトルのフォントには、線が太く遠目でもはっきり見えるものやシルエットがスッキリしたもの…つまり、“視認性の高いフォント”が多く使われる傾向にあります。
タイトルの文字は『目立った方が良い!』というイメージから、装飾的・個性的なフォントを選んでしまうかもしれませんが、タイトルはあくまで“情報”です。“情報”を早く・正しく伝える為には、タイトル文字の“見やすさ”が重要です。
タイトル文字の派手さ(装飾性)だけで広告を目立たせようとするのではなく、タイトルは読みやすいフォントを使い、あしらい(タイトルに添えたりする装飾)や配色で目立つようなデザインにすると良いでしょう。
「明朝体」と「ゴシック体」を使い分ける
和文(日本語)フォントは、大まかに「明朝体」と「ゴシック体」の2種類に分けることができます。
- 筆で書いたような止め・はらいの線の強弱と“うろこ”のある「明朝体」
- 線幅が均一で“うろこ”が無い「ゴシック体」
この2種類のフォントは、シルエットの違いから、読み手に与える印象にも違いがあります。
- 明朝体…女性的、エレガント、格調高い、和風
- ゴシック体…男性的、カジュアル、力強い、ビジネス
イベントやセールの広告で“勢いのある雰囲気”を出したい場合には、線が太めで力強い印象を与える「ゴシック体」がよく使われています。
一方、イベントやセールの広告の中でも“特別感のある雰囲気”を出したい場合には、高級感や上品といった印象を与える「明朝体」が多く使われます。
さて、「明朝体」は女性的・「ゴシック体」は男性的な印象を与えると先述したので、『それぞれのフォントでターゲットが限定されるのかな?』と思われたかもしれませんが、そんな事はありません。
「明朝体」と「ゴシック体」は、それぞれ線が細いものから太いものまでバリエーションが色々あり、線の太さによって「明朝体」と「ゴシック体」のイメージが逆転することもあります。
また、配色によっても印象を変える事ができるので、「明朝体は女性ターゲット」・「ゴシック体は男性ターゲット」と、限定して使う必要はありません。
和文フォントと同じように、英文フォントも「セリフ体」と「サンセリフ体」に分けることができるので、こちらもターゲットやイメージに応じて使い分けると良いでしょう。
※「明朝体」と「ゴシック体」については、記事【ロゴの印象が変わる!フォントの種類と選び方の基本】でも詳しく解説しています。ぜひ、併せてご覧ください。
フォント素材をイメージ別にご紹介!
それでは、タイトルに使えるフォント素材をイメージ別にご紹介していきます。
※フォントのダウンロードは無料となっておりますが、利用規約はそれぞれのフォントで異なります。フォントをご利用する際は、リンク先に記載のフォント情報をご確認ください。
スッキリ・おしゃれなフォント
Mgen+(ムゲンプラス)
スッキリ読みやすいゴシック系のフォントです。
文字のバランスや柔らかさを感じる曲線により、一般的なゴシック体に比べてカジュアルな印象を与えます。
ロゴたいぷゴシック
優しい雰囲気のゴシック系のフォントです。
線の端が少し丸くなっているので、柔らかな印象を与えます。
一般的なゴシック体は文字の線幅が同じ(※厳密には同じではありません)ですが、こちらのフォントは明朝体のように縦線と横線の線幅が違っています。
【ロゴたいぷゴシック】には明朝体のような特徴がある為、カジュアルとエレガントがミックスされたようなフォントになっています。
はんなり明朝
上品で、ふんわり柔かな印象の明朝系のフォントです。
丸みのある文字なので、高級な印象になり過ぎず、親しみを感じる文字ですね。
勢い・インパクトのあるフォント
けいふぉんと!
4コマ漫画作品が原作で、アニメ作品も大ヒットした「けいおん!」のタイトルロゴをヒントに作成されたフォントです。
程よい線の太さで視認性が高く、クセが強過ぎないので汎用性も高いデザインです。
少し手書きっぽさを感じるので、ゴシック系でも堅苦しさが無く、軽快な印象です。
デラゴシック
極太線でインパクトのある、ゴシック系のフォントです。
普通の文字バランス(正方形)に比べて少し横長になっている為、どっしりとした印象がありますね。
「横長のバランス=背の低い文字」になる事で文字のカーブがきつめになり、さらに線の太さによってカーブが強調される為、“丸みのある文字”といった印象を受けます。
ゴシック系のフォントは線が太くなるほど硬い印象になってしまうのですが、【デラゴシック】は先述の理由から、一般的な太ゴシックのフォントと比べると軽快・カジュアルな印象になっています。
親しみやすい・温かみのあるフォント
851マカポップ Ver 1.00
フォント素材の中には、こちらのような“手書き風”のフォントもあります。
縦・横・払いの線幅や角度が不揃いとなっているので、これまでご紹介した機械的に作られたフォントとは違い、“人の手で書いた文字”の温かみを感じますね。
「手書きポップ」のような、広告やポスターを作りたい場合にオススメのフォントです。
じゆうちょうフォント
こちらは、太めのペンで書いたような手書き風フォントです。
さらさらっと軽い感じで書いたような【851マカポップ Ver 1.00】とは対照的に、一文字一文字をしっかり清書したような文字ですね。
【851マカポップ Ver 1.00】と【じゆうちょうフォント】、いずれも親しみやすくカジュアルな雰囲気のフォントですが、【851マカポップ Ver 1.00】の方が【じゆうちょうフォント】よりも文字のクセが強く線が細い為、カジュアルな印象になっています。
この記事では、イメージに合わせたフォントの選び方を中心に解説しましたが、“色の選び方”によっても、人々に与える印象が変わってきます。
つまり、ゴシック体・明朝体などのフォントと色の組み合わせ方によって、フォントが元々持っている印象とはまた違った印象になるのです。
色が人に与えるイメージについては、記事【形と色でこんなに変わる!ロゴが与えるイメージの話】で解説していますので、ぜひこちらも併せてご覧ください。