悩む人多数!「シンボルマーク」ってロゴに必要?不要?
コラム 2021.04.20
以前の記事【ブランディングに欠かせない、ロゴの役割と効果とは?】でもご紹介しましたが、「ロゴ」はブランディングにおいてとても重要な役割を持つツールです。
特に近年はロゴの重要性が再認識され、新しくお店をオープンしたり会社を起業する際に、多くの方が必ずと言って良い程ロゴを作っています。
しかし、いざロゴを作るとなった場合、どのようなデザインにすれば良いのか…特に初めてロゴを作る方は、色々悩んでしまうのではないでしょうか?
ロゴデザインの“悩みポイント”として多くの方が挙げられるのが、「図形(マーク)があるロゴと、文字だけのロゴ、どちらのデザインにすれば良いのか?」です。
ロゴ作成の依頼先によって変わりますが、「文字だけ」と「図形と文字の両方」ではロゴ作成費が変わってくる場合もあるので(ほとんどの場合は後者の方が高額)、デザイン的な事だけではなく、費用的な理由から迷われる方が多いです。
今回は、ロゴを作る際に「図形」があった方が良い場合・無くても良い場合などについて、2回に渡って解説します。
■目次
基本知識!ロゴを構成する要素
ロゴをデザインする際に、まずはロゴについて知っておいた方が良い“基本知識”についてご紹介しておきましょう。
これを知っておくと、ロゴ作成をデザイン会社やデザイナーに依頼する際、スムーズに話を進める事ができます。
【シンボルマーク】
ロゴの「図形」の部分を指します。
「図形」のデザインは多くの場合、どんなお店なのか・どのようなサービスを提供しているのか・ターゲットやユーザーにどのようなイメージを与えたいのか・どのような企業理念か…などを表現しています。
【ロゴタイプ】
ロゴの「文字」の部分を指します。
お店や会社・ブランドなどの名前を、「デザイン的な文字」で表現しています。
【ロゴマーク】
「シンボルマーク」と「ロゴタイプ」を組み合わせたものの事で、一般的に“ロゴ”と言う場合は「ロゴマーク」の事を指します。
※ちなみに「シンボルマーク」も「ロゴマーク」も和製英語で、「シンボルマーク」は英語で「symbol(シンボル)」や「emblem(エンブレム)」、「ロゴマーク」は単に「logo(ロゴ)」と表現します。
「シンボルマーク」と「ロゴタイプ」を組み合わせたものをロゴと言いましたが、ロゴは必ずしも「シンボルマーク」と「ロゴタイプ」の2つの要素で構成しなければいけない訳ではありません。
「シンボルマーク」が無いロゴ…つまり、“ロゴタイプだけ”でも「ロゴマーク」になります。
ロゴ作成サービス【ココロゴ】では、「シンボルマーク」あり・無しのロゴを分かりやすく区別する為に、下記のように表現しています。
- シンボルマーク+ロゴタイプ=図形ロゴ
- ロゴタイプのみ=文字ロゴ
本記事ではロゴの違いを分かりやすくする為に、ここからは“シンボルマーク+ロゴタイプ”のものを「図形ロゴ」、“ロゴタイプのみ”のものを「文字ロゴ」と記述します。
「シンボルマーク」の有無で何が変わる?
ロゴは、「図形=シンボルマーク」の有無に関わらず「ロゴマーク」として成り立ちます。
しかし、「シンボルマーク」の有無によって、ロゴが人々に与える印象などは変わってきます。
それでは次に、「シンボルマーク」の有無で何が変わってくるのか、「図形ロゴ」と「文字ロゴ」を比較しながら、解説していきましょう。
「図形ロゴ」の特徴
◆ロゴを覚えてもらいやすい
記事【ブランディングに欠かせない、ロゴの役割と効果とは?】でもご紹介していますが、脳は「文字よりも絵(図形)の方が記憶に残りやすい」という性質があります。
ですので、ロゴデザインに図形が含まれている「図形ロゴ」は、人々に“覚えてもらいやすい”という事になります。
もちろん「文字ロゴ」も「デザインされた文字=図形に近いもの」と認識されるので、「図形ロゴ」・「文字ロゴ」に関わらず、ロゴは全て“覚えてもらいやすい”という特徴を持っています。
ただ、「図形ロゴ」と「文字ロゴ」を比べた場合、“図形”と“図形に近いもの”の比較になるので、「図形ロゴ」の方が“より覚えてもらいやすい”という事が言えるでしょう。
◆イメージを表現しやすい・伝えやすい
「図形ロゴ」は、伝えたいイメージやメッセージなどを「シンボルマーク」で自由に表現できます。
また、「シンボルマーク」が自由にデザインできるという事は、ロゴを見る人(ターゲットやユーザー)に対して、様々なイメージを伝えやすくなります。
加えて、「シンボルマーク」「ロゴタイプ」それぞれの要素の色と形を使って表現できるので、多くのイメージを伝える事ができます。
※ロゴの色や形で様々なイメージを伝えられる事については、記事【形と色でこんなに変わる!ロゴが与えるイメージの話】で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
一方「文字ロゴ」の場合、あくまで文字として読める範囲でデザインされるので、デザインの自由度は下がってしまいます。
しかも要素が「ロゴタイプ」しか無い為、表現できる・伝えられるイメージは、「図形ロゴ」に比べると少なくなってしまいます。
◆使い勝手の良いロゴになる
「図形ロゴ」は、“シンボルマークだけ”や“ロゴタイプだけ”といった具合に分けて使う事ができるので、「文字ロゴ」に比べると使い勝手の良いロゴになります。
「分けて使う事ってあるかな…?」と思われるかもしれませんが、いざロゴを使い始めると、意外とそういう場面に多く遭遇します。
例えば飲食店や企業の場合、様々なサイズや種類の備品にロゴを入れる事が多いですよね。
「図形ロゴ」そのままを使う事もあれば、ロゴを入れる部分が小さかったりデザイン的に「ロゴタイプ」は適していない場合などは、「シンボルマーク」だけを使う事ができます。
しかし、「文字ロゴ」の場合は、全てに「文字ロゴ」しか使えません。
用途に合わせて使い分けができる「図形ロゴ」は、「文字ロゴ」に比べると使い勝手が良いデザインをしているのです。
「文字ロゴ」にもメリットあり
ここまでの解説で「文字ロゴにはメリットが無いな…」と思われた方もいるかもしれませんが、決してそんな事はありません。
それでは次に、「文字ロゴ」にスポットを当てて解説しましょう。
◆名前を覚えてもらいやすい
「図形ロゴ」は「文字ロゴ」に比べて“覚えてもらいやすい”と前述しましたが、それは「文字ロゴ」が記憶に残らないという事ではありません。
「文字ロゴ」は、“文字がデザインされている”ので、文字を…つまり、店名や社名・ブランド名を覚えてもらいやすいという特徴があります。
「図形ロゴ」は確かに覚えてもらいやすい特徴がありますが、それは“シンボルマークを覚えやすい”という事です。
ロゴの認知度を上げるのであればそれでも良いのですが、「店名・社名の方を覚えてもらいたい!」というのであれば、「文字ロゴ」の方が向いているのです。
◆トレンドデザインの変化を受けにくいデザイン
「図形ロゴ」は「シンボルマーク」がある事で自由なデザインが可能と前述しましたが、実はこれがデメリットになる場合があります。
デザインの自由度が高いと、トレンドデザインを取り入れやすくなります。しかし、トレンドが去った時、ロゴデザインに“古さ”を感じてしまうのです。
一方「文字ロゴ」の場合、トレンドデザインを取り入れたとしても「図形ロゴ」に比べてデザインの自由度が低いので、トレンド要素が薄くなります。その為、トレンドが去った時のデザインの“古さ”は、「図形ロゴ」に比べるとあまり感じません。
デザインに“古さ”を感じにくいとロゴをリニューアルする頻度も少なくて済み、リニューアルに伴う経費(リニューアルロゴの作成費や、名刺・備品の印刷、作成費など)も抑えられます。
「図形ロゴ」と「文字ロゴ」、実はどちらにもメリット・デメリットがあったのです。
ですので、“図形ロゴは文字ロゴより優れている”といった事は無く、“「シンボルマーク」は必要不可欠”という訳でもないのです。
しかし優劣とは別に、“どちらかと言えば「シンボルマーク」があった方が良いケース”というのはあります。
次回は、「シンボルマーク」があった方が良いケースについて、詳しく解説いたします。