地域のブランディングにロゴを活用しよう!
コラム 2021.01.05
前回の記事では、アフターコロナを見据えて「プレイス・ブランディング」の必要性が高まっている事についてご紹介しました。
今回は、「プレイス・ブランディング」で活用されているロゴについてご紹介します。
「プレイス・ブランディング」のロゴの役割
前回の記事でもご紹介しましたが、「プレイス・ブランディング」とは、市町村という単位に限定されない、“新しく意味づけされた場所”をブランディングする事です。
“新しく意味づけされた場所”をブランディングするので、“場所”のイメージが漠然としていると、ブランディングが行いにくいですよね。
そこで活用出来るのが、「ロゴ」です。
ロゴは、シンボルマーク(図形)やロゴタイプ(文字)、色を通じて、様々な情報やメッセージ、印象・イメージを人々に伝える事が出来るツールです。
“新しく意味づけされた場所”は、住んでいる地域や職種、環境等に違いにより、人によってはブランディング活動への関心が薄くなってしまう事もあるでしょう。
企業や行政、市民一体となって行う「プレイス・ブランディング」がそんな状態では、なかなか上手くブランディングを行えません。
ですが、ロゴというツールがある事で人々に関心を持ってもらいやすくなり、また、“新しく意味づけされた場所”をどのようにブランディングしていこうとしているのかが明確になるので、ブランディング活動の参加者が同じ方向を向きやすくなります。
また、ロゴがある事で、“新しく意味づけされた場所”とはどんな所なのか、どんなモノ・コトが魅力的なのかをPRしやすくなります。
さらに、ロゴには“覚えてもらいやすい”という効果もあります。
ブランディングを行う上で「キャッチコピー」を使う方法もありますが、言葉(文字)だけでは、人々にイメージが定着しにくい面があります。
“人の記憶に残りやすい”という特徴を持つ「ロゴ」を「キャッチコピー」と一緒に活用する事で、より強く、人々の印象に残す事が出来ます。
※記事【ブランディングに欠かせない、ロゴの役割と効果とは?】では、“内部に与えるロゴの効果”や“ロゴがあると覚えやすい”など、ロゴの役割と効果についてご紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。
「プレイス・ブランディング」ロゴの実例
前回の記事でも述べたように、アフターコロナを見据えて、今後は「プレイス・ブランディング」を行う動きが増えていくのではないかと思われます。
それでは次に、「プレイス・ブランディング」の活動実例と共に、どのようなロゴが使われているのかをご紹介しましょう。
夢但馬
画像引用元:夢但馬 | ロゴマークについて
但馬(たじま)とは、兵庫県の北部、豊岡市・朝来市・養父市・香美町・新温泉町の3市2町からなるエリアの事です。
『夢但馬』は2014年、但馬全域で新しい地域づくりのきっかけをつくる為に開催されたイベント「夢但馬2014」が発端となっている取り組みで、地域の資源・暮らし・文化を見直し、地域交流を深め、その魅力を内外に発信。但馬の未来に繋げる活動を行なっています。
ロゴには「温泉」や「棚田」、「牛(但馬牛)」などが描かれ、“但馬にはたくさんの魅力がある”といった印象を受けますね。
このような“アピールしたいモノ・コトを詰め込んだロゴ”というのは割とよくあるパターンなのですが、詰め込み過ぎるとデザインがごちゃごちゃしてしまって、ロゴの視認性が落ちてしまうのが難点です。
ですが、『夢但馬』のロゴは程よいバランスで魅力が描かれているのと、色数が少ないながらもインパクトがある(YUME TAJIMAの文字色と背景の黄色のコントラストが効果的)ので、視認性が良く、とても印象に残りやすいデザインとなっています。
また、可愛らしいタッチのイラストと“レトロモダン”を感じさせるロゴデザインは、若者の目に留まりやすいデザインです。“但馬の未来に繋げる活動”で使うロゴとして、若い世代に十分アピール出来るものとなっています。
しあわせ信州
画像引用元:しあわせ信州 | ロゴマークとスローガン
『しあわせ信州』は長野県の魅力を発信するプロジェクトなのですが、“長野県”ではなく“信州”という名称を使ってブランディングを行っています。
長野県の魅力を発信するのであれば、“長野”の名称を使った方が良い気もしますよね?
実は、“信州”という名称を使うのには、少し特別な理由があります。
それは、長野県民には“信州”という名称の方に馴染みがある人が多いという事です。
地域をブランディングする際、その地域以外で使われる一般的な名称よりも“地元感”のある名称の方が、住民にとっては愛着が湧きやすいというのは想像できますよね。
「プレイス・ブランディング」では、“新しく意味づけされた場所”にあらゆる人々が集まって盛り上げていく必要があるので、県外に向けてのアピールだけでなく、「自分もそこに参加したい!」と思わせる要素も必要なのです。
『しあわせ信州』のロゴは、明朝体のロゴタイプとシンボルマークの手描き感のあるハートがとても優しげで、緑の類似色で纏められたカラーは信州の自然豊かな風景を思わせます。
ロゴデザインは少し地味に感じるかもしれませんが、“しあわせ”というキャッチフレーズをそのままシンプルに表現した、メッセージが伝わりやすく印象に残りやすいデザインとなっています。
がけっぷちリゾート
画像引用元:がけっぷちリゾート
『がけっぷちリゾート』は、福井県の有名な断崖絶壁の景勝地「東尋坊」とその周辺30分圏内の範囲を、“ファミリーのための新しいリゾートゾーン”とするブランディング活動です。
「東尋坊」の近くには、「あわら温泉」「芝政ワールド」「越前松島水族館」などの色々な観光スポットがありますが、個別にPRするのではなく、“リゾート”という言葉を使って、そのあたり一帯の「プレイス・ブランディング」を行なっているのです。
“がけっぷち”は「崖のふち」という意味があるので、「東尋坊」の事を指しています。
しかし、“もう後が無い、窮地”といった自虐的やネガティブな意味で使われる事の方が多い言葉でもあるので、思わず「え?どんなリゾートなの?」と、興味を引かれてしまいますね。名所の特徴に上手く掛けた、印象に残りやすいネーミングとなっています。
ロゴは、可愛らしい雫型のシンボルマークに、ギリギリ分かる程度までシンプルに描かれた「東尋坊」、海に沈む夕日を思わせるシルエットが印象的です。
また、柔らかさのあるロゴタイプは、ターゲットであるファミリー層に好まれそうなデザインですね。
ちなみにこのロゴ、基本のカラーを含めて、何と30種類ものカラーバリエーションが用意されています。
リゾートゾーン内でロゴを掲げる際、「基本のカラーでは、お店や施設とのイメージと合わないなぁ…」という時の為に、イメージに合うロゴを選べるように、多くのバリエーションが作られたのです。
ブランディングに参加する側は、“言われたからロゴを使う”のではなく、「自分のお店なら、これを使おうかな」「ここの施設なら、これが合うな」と、“自らロゴを選んで参加していく”という事になるので、参加意識が高まりやすい“仕掛け”となっています。
コロナ禍は、観光業界をはじめ、様々な業界に経済的ダメージを与え続けています。
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