ここに注意!ブランドネームの決め方
コラム 2020.12.01
新規事業の立ち上げや新製品の開発、お店の新規オープンなどに伴って、必ず準備しなければいけないモノが「ブランドネーム」です。
「ブランドネーム」もロゴデザインと同じ様に外注する事が出来ますが、「費用を抑えたいから、できれば自分たちで考えたい」と思う方は多いかと思います。
そこで注意なのが、「ブランドネーム」の決め方です。「ブランドネーム」は売り上げを左右してしまうくらい重要なモノなので、“とりあえず”や“何となく”で決めてはいけません。
※「ネーミング」の重要性は、記事【売り上げを左右する!?ネーミングの重要性とは?】をご覧ください。
今回は「ブランドネーム」を自分たちで考えたい方の為に、“ネーミングの際に注意しなければいけない事”と“成功するネーミングのセオリー”について、2回に渡ってご紹介していきます。
■目次
“良いネーミング”の為に、ここに注意!
「ネーミング」は、ロゴを作成する事に比べると誰でも簡単に出来ます。
しかし、簡単に出来るとは言っても、知っておいた方が良い注意点はあります。
後になって「せっかく決めたブランドネームを変更しなければいけなくなった…」とならない為にも、どのような点に注意が必要なのか、「ネーミング」の作業に入る前にチェックしておきましょう。
馴染みのない言葉に注意
「ブランドネーム」を付ける目的として、競合他社との差別化があります。
しかし、いくら差別化を図りたいからといっても“馴染みのない言葉”を使った「ブランドネーム」では、ターゲットに覚えてもらいにくくなります。
「覚えてもらいにくい」という事は、「認知度が上がらない」事になり、その結果「売り上げに繋がらない」となってしまいます。
よくあるのが「字面がカッコ良いから」という理由で、ネーミングに“横文字”を使おうとする場合です。
もしその“横文字”がどんなに“カッコ良いブランドネーム”だったとしても、ターゲットに馴染みのない言葉であった場合は使う事をおすすめしません。
商標登録されていないか注意
「ネーミング」する上で、必ず確認しなければいけないのが「商標登録」です。
実はこの「登録商標」、登録されているもの・申請中のものが簡単に調べられるWebサイトがあります。
それが【特許情報プラットフォーム 「J-Plat-Pat」】です。
※「J-Plat-Pat」の使い方は、「特許庁」のWebサイト【商標を検索してみましょう】のページに掲載されています。
画像:特許情報プラットフォーム「J-Plat-Pat」Webサイトトップページ
せっかく良い「ブランドネーム」を思いついても、すでに他社が「商標登録」していた場合は、その名前を使う事ができません。ネーミングを決定してしまう前に、必ず上記のWebサイトで検索しておきましょう。
ただし、思いついた「ブランドネーム」がすでに「商標登録」されていたとしても、必ずしも使用できない訳ではありません。
「商標登録」を出願する際には、商品(役務)ごとに割り当てられた「類字群コード」を指定します。
「類字群コード」が、同一・または類似の場合、先に「商標登録」されているものと同一・または類似のネーミングを登録ができませんが、「類字群コード」が違う場合には原則登録が可能=ネーミングの使用が可能です。
※「商標登録」は事案ごとに審査・判断されるので、必ずしも「類字群コード」のみの判断で登録可能・不可能となる訳ではありません。
ブランドネームの文字数に注意
「商標登録」で決められている文字数の制限は30文字ですが、一般的にそこまで文字数の多い「ブランドネーム」を付ける事はまず無いでしょう。
ですが、30文字まではいかないにしても、10文字を超えるような長い「ブランドネーム」はおすすめしません。
「多少文字数が多くても、そのうち覚えてもらえるだろう」と考えるかもしれませんが、それでは認知度を上げる事が出来ないでしょう。
今は、気になる事があればすぐにインターネットで検索する時代です。
「ブランドネーム」を目にした(または耳にした)ターゲットがネット検索する際、長いブランドネームは覚えにくいので、“正しく”検索出来ない可能性が高くなります。
そうなると、検索結果に表示されなかったり、似ているけど“別の”ネーミングにヒットしてしまいます。そうなると、認知度を上げる事は出来ませんよね。
ターゲットに正しく覚えてもらい、正しく検索してもらう為にも、文字数の多いネーミングは避けましょう。
ブランドネームはドメインに使えるか?
前述したように、今はインターネットでの検索が欠かせない時代なので、お店や会社の規模に関わらずWebサイトを持つ事は必須となっています。
そこで「ブランドネーム」と関わってくるのが、「ドメイン」です。
「ドメイン」はいわゆる“インターネット上での住所”のことで、“ブランドネームの入ったドメイン”を取得すると、“ブランドネーム.com”といった様なURLに出来ます。
ですがこの「ドメイン」は“同じ名前で取得が出来ない=早い者勝ち”の為、すでに別のところで“ブランドネームの入ったドメイン”が取得されていると、後から取得することは出来ません。
WebサイトのURLなので、「ブランドネーム」と「ドメイン」が一致していなくてもそれほど気にしないかもしれませんが、一致していると下記のようなメリットがあります。
・検索結果の順位が上がりやすくなる
・URLからもブランドネームの認知度を上げることが出来る
・偽サイトが多く存在するネット上で、“公式である(信頼できるお店・会社)”という証明になる
Webサイトを戦略的に活用する為にも、「ブランドネーム」が「ドメイン」に使えるかどうか調べておきましょう。
空きドメインが検索できるサイト:ドメイン公式登録サービス【お名前.com】
英語圏での表記や発音に問題は無いか?
“造語”や“英単語の組み合わせ”のネーミングの場合、「英語圏での表記や発音にした場合の意味(英訳)」を調べておく必要があります。
なぜなら、日本で使用する際には特に問題を感じないネーミングでも、英語圏での表記や発音が実はネガティブや品の無い言葉であったり、それらを連想させる言葉だったりする事もあるからです。
有名な例が、日本の自動車メーカー「三菱」の「パジェロ」です。スペイン語圏では“卑猥なイメージの言葉”になるので、「モンテロ」という名前に変更して販売されたのです。
グローバルに使用する予定のある「ブランドネーム」の場合は、必ず英語圏での表記や発音も調べておきましょう。
次回は、「成功するブランドネーム」のセオリーにて、詳しくご紹介いたします。