業種別に解説!ロゴデザインの特徴とは? 〜その2〜
コラム 2020.07.28
前回に引き続き、今回も業種別にロゴデザインの特徴とデザインのポイントをご紹介いたします。ぜひ、ロゴ作成を発注する際の、ヒントや参考にしてみてください。
業種別ロゴデザインの特徴-その2-
教室・学習塾
イメージカラー
教室関係は様々な年齢が、学習塾は主に子どもがターゲットになるので、ターゲットによって使われるカラーは変わってきます。
基本的に、「明るい」「鮮やか」色は若者向け、「渋い」「落ち着いた」「暗い」色は大人向けになります。
※記事【形と色でこんなに変わる!ロゴが与えるイメージの話】では、英会話教室を例に、ターゲット別にロゴのサンプルを作成しています。参考にご覧ください。
教室関係の場合は、教室のイメージや雰囲気に合う色を使うので、「暖色系が多い」といった系統は特にありませんが、学習塾の場合は「寒色系」が多く使われています。
寒色系は「知的」「信頼」といったイメージを与えるので、「成績を上げたい」と考えるターゲットにピッタリの色なのです。
デザイン
教室関係の場合、「何の教室か」が分かるデザインにしている場合が多いです。
代表的なのは、ピアノや音楽教室のロゴですね。
「ピアノ」や「音符」をモチーフにデザインする事で、「何の教室か」が一目瞭然となっています。
教室関係のターゲットは多種多様な為、使われる書体もPOPなものから堅い印象のものまで様々です。
●POPな書体
…楽しい、気軽な、子供・若者向け
●堅い印象の書体
…本格的、少人数、大人向け
学習塾の場合は、「本」や「鉛筆(ペン)」といった、勉強に関するモチーフが多く使われています。また、“森の賢者”と言われる「ふくろう」をモチーフにしているのも見かけますね。
他に、成績アップをイメージするような「上向きの矢印」などもあります。
使われる書体は、ターゲット(学生)の年齢層に合わせてPOPな書体かと言うと、そうとも限りません。
あまり軽いイメージの書体にしてしまうと、ターゲットが「本当に、成績を上げられるのかな…?」といった印象を受けてしまいます。
どの程度の学力を目指すのか(有名校に進学目的かどうか)によって、使う書体を変える方が良いでしょう。
美容・サロン関係
イメージカラー
ターゲットが男性か女性かによって、使う色が変わってきます。
一般的には、ターゲットが男性の場合は「茶」「黒」などのダークな色、女性の場合は「ピンク」などの「暖色系」が多く使われています。
また、男性・女性問わず、高級感を出したい場合は「黒」「金」といった色がよく使われています。
美容室で男女どちらもターゲットとしている場合、「黒」が使われている事が多いです。
「黒」は「中性的」なイメージと、「スタイリッシュ」な印象を与えるので、美容室に向いている色とも言えます。
デザイン
サロン系でよく使われているのは、「美しい」「高級」といった印象を与える「明朝体」です。
「明朝体」は「特別感」のイメージもあるので、サロンというプラーベートで特別な空間のイメージに合う書体です。
モチーフとしては、「クラシック」「エレガント」「ヴィンテージ」をイメージさせる飾り(オーナメント)がよく使われていますね。流れるようなラインが「優雅」な印象を与え、「特別感」のイメージを強めます。
美容室では、「高級感」を感じさせるものから、「流行」のデザインを取り入れたものまで、様々なロゴデザインがあります。
美容室はターゲットにとって「おしゃれになる」という目的がある為、ロゴに流行のデザインが取り入れられていると、「おしゃれに仕上げてくれそう」という印象をターゲットに与える事が出来ます。
モチーフとしては、「はさみ」が使われている事が多いですね。
IT企業
イメージカラー
IT企業は、「先進的」「スタイリッシュ」「シャープ」といった印象を与える「寒色系」が多く使われています。
また、より「先進的」「スタイリッシュ」を感じさせる為に、「グラデーション」を使っているのも、多く見られます。
ただし、「グラデーション」は使い方を間違えると、途端に「古臭い」印象になってしまい、ターゲットにマイナスのイメージを与えてしまうので注意が必要です。
以前は、グラデーションは“立体的に見せる”という使い方が主流でした。ですが、現在は“色の変化を見せる”という使い方に変わっています。
IT企業は流行の最先端を取り入れる事でブランドイメージを高める事が出来るので、色選びだけでなく、“使い方”も重要になってきます。
デザイン
ロゴのデザインに関しても、色同様に“流行り”を意識した方が良いのが、IT企業の特徴です。
「流行りを意識する」と言っても、流行りは常に変わっていくので、それにロゴのデザインを合わせるのは難しいのでは…と思われるかもしれませんね。
ロゴと言えば、「一度作れば、ずっと同じロゴを使う」というイメージを持っている方が多いかもしれませんが、実はデザインを「リニューアル」する事も出来るのです。
特にIT企業は、先述したように“流行り”を意識する業界なので、時代に合わせてロゴデザインをリニューアルする事はよくあります。
※ロゴのリニューアルについては、記事【ロゴデザインのリニューアルについて、有名企業の実例と共にご紹介します!】で紹介しています。ぜひ、併せてご覧ください。
最近のデザインの流行りとしては、「フラットデザイン」が多く採用されています。
「フラットデザイン」とは、立体的表現としてのグラデーションやシャドウを使わず、コントラストがはっきりしていて、極力シンプルに構成されたデザインの事です。
また、書体は「明朝」よりも「ゴシック系」が多く使われています。
IT企業で「フラットデザイン」や「ゴシック系」の書体が多く使われる理由としては、端末が多様化した事が挙げられます。
「フラットデザイン」や「ゴシック系」の書体を使うと、「パソコン」「タブレット」「スマートフォン」どの端末でも最適な状態で表示する事が出来るのです。
IT企業は事業内容が多種多様な為、デザインに使われているモチーフも様々で、どちらかと言うと抽象的なデザインが多く使われています。また、シンプルにデザインされている事が多い為、印象に残りやすい特徴もあります。
今回、2回の渡って業界別のロゴデザインの特徴をご紹介しましたが、あくまで“傾向”であって、「この業界のロゴデザインは、こうでなければいけない」というものではありません。
ロゴデザインに関しては、記事【ロゴデザインを引き立てる!色の持つ効果】、【ロゴ作成を解説!イメージに合わせたロゴデザインとは?】でもご紹介していますので、こちらも併せてご覧ください。
ロゴは「色」「モチーフ」「書体」の構成によってターゲットに伝えたいメッセージや与えたいイメージなど様々な事を表現出来るので、ここで紹介した傾向をヒントに、より自社・自店に合ったロゴを作ってくださいね。